私達は企業の未来をアシストする中小企業診断士のプロ集団です。

2018年度2月定例会 活動報告

 2018年2月度の定例についてご報告いたします。

 2月度定例会は、研究会「岩本組」の岩本統括幹事の企画として『事例に学ぶ、中小企業の社長はどのような支援を求めているのか?~ここまでやれば中小企業は生き返る!~』と題して、島根県信用保証協会出雲支店の支店長小野拳氏に講演を行っていただきました。

 講演冒頭には、小野氏の職場である島根県のPRが行われ、出雲大社の神話、15年連続日本一の日本庭園である足立美術館の紹介が行われました。島根県は、人口68万人、中小企業23,542社、東京都の5%ほどの市場規模であうことが紹介されました。

 

気がつかされた経営理念の大切さ

 最初に、小野氏の考える経営理念について、お話がありました。

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 多くの経営者が経営理念の価値に懐疑的です。実際、「理念で飯が食えるのか」という質問を何度もされます。経営者は理念を実現するため、商品価格を抑え、社員の福利厚生を充実させることが求められ、結果、利益を圧迫していると考えています。

 安い商品を提供することや、福利厚生を充実させることは、誰もが持っている表面的な要望に過ぎない。この表面的な要望を実現することは、企業理念の実現ではありません。本当の経営理念の実現は、お客様を感動させること。そして、お客様を感動させた従業員が、仕事にやりがいを感じ、幸福度を高められるものです。

 「理念で飯が食えるのか」という経営者の言葉は、当初は理念の実現が目的だったにもかかわらず、いつの間にか企業の継続を目的としてしまったことを示しています。

 私たちは、この話を、経営者に対するメッセージであるとともに、中小企業診断士への訓示として受け止めました。

 

経営理念の浸透を実践している企業の事例

 続いて、経営理念を実践している企業の紹介がありました。

 1社目は、エゴマの栽培と通信販売を行う会社です。社員自ら従業員の幸福向上にとり組むことで、お客様の感謝の言葉にみなで喜べる組織となりました。広告による攻めを一切せず、意識改革によって7年連続増収増益が達成されています。(健幸ファーム いづも農縁)

 2社目は、旅館です。若女将が顧客への質の高い奉仕を実施しています。小野さんは、この企業の経営理念に共感し、設備投資のために破格の借り入れを起こしました。今では、中国地方で非常に高い評価を受ける旅館になりました。社員にもその理念は引き継がれ、入社半年の新入社員であっても、顧客を感動させる接客が実現できています。(白石家)

 3社目は、アパレル製造業です。古い歴史的な染色技術を引き継ぐために自腹で投資をするカリスマ社長が経営をしています。「日本の心を引き継ぐ」という強烈な経営理念があり、社員の共感度が高い会社です。東京の有名な商業施設にも出店しています。(群言堂)

 

支援の事例

 中小企業の支援で、小野氏の部下Aが、1人の経営者との出会いによって仕事に対する姿勢が変わった、という印象深い事例を2件紹介いただきました。

 まず、パン等製造業の事例の紹介がありました。設備投資に失敗し、リスケにも失敗し、4年間孤独に代位弁済をし、返済を続けてきました。経営状況は悪く、社長自身も苦しんでいましたが、無添加にこだわったパンを作り続けていました。それを間近で見て心を打たれた部下Aは、経営の支援をしたいと小野さんに訴えてきました。経営者と若手社員は、二人三脚で経営改善に取り組み、苦境を脱することができました。この経緯は、「金融排除 地銀・信金信組が口を閉ざす不都合な現実 (幻冬舎新書)」に収録されています。

 もう1社は「破綻懸念」先として格付された鮮魚卸業でした。その企業は金融機関2社と付き合いがありましたが、証書貸付は折り返し拒否となり、手形貸付も更改拒絶となり、保証協会として支援することになりました。そこで小野氏は、入社3年目の部下Bに経営改善支援を指示しました。そして、まずはその企業の業務を理解するところから始めました。そうすると①競り→②仕分け→③値入→④市場持ち込み→⑤発送→⑥伝票などの業務フローが見えてくると共に、値入の決め方は感覚的に行っているため赤字が膨らんでいるという課題も見えてきました。そのため小野氏は値入管理を徹底し、資金繰り表の作成という当たり前のことを支持しました。資金繰り表の作成支援と実績確認を行っていき、都度対応策の検討を行っていくことで過去最高の単月利益となりました。「実は資金繰り表を作れる社長は少ないんです。支援して過去最高益となった際に、社長の奥さんは泣いて感動されました。」小野氏にとっても忘れられない出来事になっているようでした。

 

支援機関として企業のためにやるべきこと

 最後に、小野氏より熱いメッセージをいただきました。

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 経営理念を実現することで、社員が顧客幸福を実現する成功体験ができれば、社員幸福も高まります。社員幸福の高まりは、更なる顧客幸福を生むという循環がすすみます。この循環を作り出すことが支援機間の使命であると考えています。

 売り上げは、ありがとう、の数しか上がりません。そして、お客様のありがとうは、人でしか作ることができません。

 今、多くの経営者の方々は仕事が面白くないと感じています。それは、経営を継続するための資金繰りに追われ、多くの経営者の方々は目標が目的化してしまっていることにあります。

 日本の経済を支えているのは孤独な中小企業の経営者です。本気で応援してくれる人、経営者と一緒に戦っている戦友はほとんどいません。支援機関として、こんな方々を助けないでどうするのか、と常々考えています。

経営理念とは「この文言を実践するがゆえに、会社が社会から認められるもの」

 この小野氏の言葉に心を打たれた会場のみなの盛大な拍手で、定例幕は閉じました。

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2018年度1月定例会 活動報告

2018年1月度の定例会についてご報告致します。

 

はじめに、岩本統括幹事より「中小企業の社長の良き相談になって欲しい。待っていては何も生まれない、自ら積極的に活動して欲しい」との代表挨拶がありました。続いて七田幹事より、当研究会の理念や主な活動内容等について概要説明がありました。そして、計12チームより、今年の活動方針や活動内容、求める人材像などについて説明を行いました。

 

■チーム紹介

① 流星塾(遠藤会員)
「Gの時代は終わりを告げ、Lの時代がやって来た」。冒頭から何言ってんだこいつ感満載のプレゼンを要約すると、地域コミュニティの再生と、地域内で完結する小さな経済循環を生み出すことが、より人間らしい暮らしを取り戻すことにつながるということのようです。2017年は、NPO組織の設立支援や、まちづくり事業への参画などを行ってきました。

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② FAT(宇都会員)
税理士・会計士や金融機関勤務など多彩な会員がおり、財務・会計・税務など金融知識をいかして中小企業を支援することを目指すチームです。管理会計を中心に経営者の意思決定に役立つ事例に取り組んでいます。昨年も2回の政策研定例会の発表の場で、実践的なワークを通じて会員のスキルアップの支援を行いました。

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③ PIT:実践IT研究会(萩原会員)
ITに特化した研究会で、実践的なアウトプットを重視しています。毎月、ITの最新動向などを5分間程度のまとめ、プレゼンテーションを行い、ブログで発信するなどの活動を行っています。また、昨年はgoogle社、サイボウズ社と、中小企業診断士の役割について意見交換なども行いました。定例会は毎月第1日曜日の午前中に実施、懇親会は年に一回だけ開催しています。当日の午後を有効に使えることもメリットです。

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④ ビジネスモデルカフェ(木下会員)
ビジネスモデルに関心がある方を中心に活動しています。診断士試験では学べなかったビジネスモデルについて、互いに学びあい、教えあえる場の提供を活動方針としています。また、定例会や執筆などを通じて個々のスキルアップも図っています。昨年は、政策研定例会で3回も発表しており、最も貢献しているチームと自認しています。今年のテーマは「ネットワーク型組織」から「デザイン組織」の昇華を目指しています。概ね毎月第4金曜日19時から定例会を実施しています。

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⑤ 中小企業M&A研究会(飯野会員)
中小企業の自発的M&Aを“どんどん”ふやすことを目的としたチームです。M&Aの現場で中小企業診断士は、M&Aアドバイザーやコンサルタントとして活躍することができます。チームの方針は、本気志向、実務志向、秘密主義として活動しています。定例会は、毎月一回、第4土曜日の午前中をメインに平日夜間の開催も予定しています。

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⑥ チーム岩佐(岩佐会員)
会員は企業内診断士中心で、所属業界は多様な人財構成です。活動内容は月例会として毎月第3木曜日に八重洲周辺の飲み屋で実施しています。加えて、メンバー持ち込み形式の簡易実務従事を年に2~3回行っています。チームの目的は、企業の経営改善に貢献するとともに、企業内診断士としてコンサルティングのスキルを維持し、充実感を提供することです。

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⑦事業承継研究会(染谷会員)
企業の事業継続を考えた際、一番のリスクとされるのが、経営者の交代、つまり事業承継です。経営破綻に陥った企業の窮境原因の多くが事業承継に起因するものだとも言われています。我々中小企業診断士にとって、事業の再生と承継に関する正しい知識を身に着け、実践していくことは、責務であると考えます。やる気があれば経験不問。定例会は、偶数月の第2又は第3土曜日。

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⑧事業再生研究会(廣田会員・大塚会員)
中小企業の再生支援のため、事業再生について広く深く研究をしております。診断士以外にも、弁護士・会計士・税理士など士業の枠を超えた会員構成であることが特徴です。事業再生の入門者からプロまで、様々なメンバーが在籍しております。毎月第2土曜日に定例会(午前:入門者向け基礎講座、午後:研究会)を実施しています。

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⑨企業内診断士の輪を広げる「楽しい」チーム(三木会員)
企業内診断士のためのチームです。お互いに学び合うことを目的に、定例会を月1回平日夜に実施しています。定例会では、5分間スピーチや各メンバーの業界研究のプレゼン、執筆活動や気仙沼バルの活動などの診断士活動の共有を行っています。また、年に1回「マスターコース入門&徹底比較セミナー」も行っています。

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⑩オアシス(三木会員)
沢田先生がリーダーのチームで、主な活動は①ビジネスでのITスキル向上、②仕事(人生)のスキルアップ、③研修ビジネス(講師スキル)などをテーマとした勉強会です。不定期に簡易診断も行っており、実務ポイントも獲得できます。勉強会の講師、勉強会の資料提供など何らかの貢献意志のある方、ボランティア精神のある方、歓迎です。原則、毎月1回、土曜日か日曜日に勉強会を実施しています。

 

⑪HRC(蜂矢会員・多賀会員)

講師を目指す人の集団です。主な活動としては、①研修企画・構成(コンテンツ)、②伝え方(話し方、ボイストレ等)、③売り方(プロフィール・チラシ等)を行っています。2018年は「プレゼン力の強化」をテーマに、プロのフリーアナウンサーのトレーニングも予定。原則、毎月第2日曜日の午前中に活動しています。

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⑫岩本組(岩本会員)
診断士になったからには責任がある。事業再生・事業承継をわからずして中小企業の経営顧問ができるか!?、切磋相談する機会を作りたい、という熱い思いを持って活動をしています。今年は新しい診断・支援を3件程度予定しています。組の掟は、挨拶を心がけること、相手を褒めること、約束(納期)を守ることです。奇数月の第3土曜日に定例会を実施しています。

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最後に、2017年度の政策研運営サポーターのリーダーである松田会員より、新年度の運営サポーター募集の案内がありました。運営サポーターとは、政策研の定例会・その他イベントを企画・準備を行う政策研運営の実動チームです。主に診断士一年目会員や新入会員で構成され、診断士の最初の1歩を踏み出す際に心強い「横の強めの繋がり」ができることがメリットとして紹介されました。

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1月度の定例会は新入・既存会員含め多数参加があり、各チームがPR活動を行う活気ある会となりました。中小企業政策研究会は、新入会員を大募集しております。あわせて、新年度の運営サポーターも引き続き大・大募集しております。一緒に研究会を、そして日本の中小企業を盛り上げていきましょう!

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2017年度11月定例会 活動報告

2017年11月度の定例会についてご報告いたします。

 

11月度定例会は、FAT、藤本江里子会員の企画として『FAT印刷の事業計画書を作ってみよう!』と題して、講演を行っていただきました。

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講演ではまず仮想企業である「FAT印刷」の現状と事業計画書の概要や作成のポイントについてご紹介いただき、それを踏まえてFAT印刷の新規事業に関する事業計画についてワークを行いました。

今回はFAT印刷の社長の息子である副社長を中心にストーリーが展開していきました。立体印刷が可能な高機能プリンタを導入した新規事業立ち上げのために融資を受けるべく事業計画書の作成をしましたが…

 

事業計画書とは

講演では初めに、事業計画書の概要と作成のポイントが紹介されました。事業計画書とは、英語ではビジネスプランと訳され、現時点から数年間にわたり、毎年どのように事業を遂行し、その結果どのような成果が生み出されるかを示したものであり、作成の目的はアイデアの肉付けと具体化のためにおこなう内部向けの目的と、他者(主に銀行などの融資先)への説明となる外部向けの目的など、複数の目的を有するとの説明がありました。

事業計画書作成のポイントとして、下記の5つのポイントを紹介されました。
1.何のために作成するのかという目的を明確にする
2.誰にみせるのか?をイメージする
3.見せる相手が気にすることは何か?を考える
4.見せる相手がすきな書き方(あるいは作法)があるかを確認する
5.相手にとって何が魅力的か?その結果協力してくれるか?を考える
このような説明の後、副社長が作成したFAT印刷の事業計画書をもとにワークをおこないました。

 

ワーク1:副社長が作成した当初の事業計画書はどこがだめだったのか

副社長が作成した事業計画書では、銀行の融資担当者に「これでは融資できない」とあえなく断られてしまいました。当初の新規事業の内容は、立体印刷を用いたデザイン性の高い結婚式用の招待状や席次表などを手掛けるものでした。その事業計画書にどのような問題があるのか、どのようにしたらいいのかを、グループごとに分かれてワークをおこいました。議論の後に副社長役のFAT会員の方にインタビューをして、問題点と課題を探っていくワークは指摘点も多数用意されていて、大いに盛り上がりました。

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その後ストーリーは進んでいき、融資を断られた副社長は中小企業診断士に相談し、事業計画書の作り直しにとりかかりました。その過程で副社長は業界では名の知れたオタクであり、幅広いオタク人脈を有することが発覚しました。その人脈により新規事業である立体印刷を用いた高度な印刷技術によって実現できる、品質の高い同人誌印刷には大きなニーズがあることを発見しました。そこでそのようなニーズや副社長の強みを生かした新規事業に光明を見出し、作り直した事業計画書を手に、ふたたび融資担当者のもとに出向くこととなりました…

 

ワーク2:同人誌印刷事業を追加した事業計画書について

作り直された事業計画書が、①当初の事業計画書との違い、②どこがどのように評価できる、③自分ならもっとこうする、という3つの観点からグループ内でワークをおこないました。先ほどのワークと同様に、議論の後に副社長役のFAT会員の方にインタビューをしてグループ内での意見をまとめ、発表していきました。ざっくりとしていた内容が具体的になった、ターゲットが明確化した、リスクが分散された、事業承継の観点があるのが評価できる、もっと熱い思いが伝わるようなことを書いてみては、などの意見が挙がりました。

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まとめとして、診断士はあくまでお手伝いであり、経営者自身で事業計画書を作成できるように寄り添い、経営者に手を動かしてもらうのが大事であること、融資担当者は返済可能かどうかを気にしているので、資金繰りを数字で示すこと、必須項目や懸念事項、フォーマットなどは事前に融資担当者に確認すること、などのポイントの解説がありました。

 

そして、事業計画書を作り直した結果、見事に融資を獲得したFAT印刷。実は融資担当者も「こんな事業計画書を待っていた…」と涙を流すほどのオタクであったという衝撃的な展開と共に、副社長は新規事業を推進していくこととなりました。
時に笑いがおきるなど終始なごやかな雰囲気の中進行された発表も終了時には盛大な拍手に包まれました。次回予告「FAT印刷に、M&Aの話が…!?」とますます気になる展開に期待が寄せられるなか閉会を迎えました。

 

2017年度10月定例会 活動報告

10月定例会は独立診断士の小田恭央会員、村上知也会員、花畑裕香会員の企画「政策研新旧チームリーダーが語る!独立診断士3人がどうやって独立したか」をテーマに、
事前に集めた会員からの質問に対し、3名の会員がパネルディスカッション形式で回答するという会でした。

■パネラー紹介
〇小田恭央会員
大手電機メーカー、ITコンサル会社を経て独立。独立当初はITコンサルをメインに受注。現在は産学官連携や書籍の出版、アニメ関係など幅広い分野で活躍中。

小田さん

〇村上知也会員
大手SIerを経て独立。診断士予備校の講師に加え中小企業施策に基づいたコンサル、専門家派遣、セミナー講師業などで活躍中
村上さん〇花畑裕香会員

会社員、診断士養成課程を経て独立。現在は2人の子育てと両立しながら、大学院特任講師や企業のマーケティング支援などで活躍中。

花畑さん

■パネルディスカッション

PD

Q1.独立前の準備や、人的コネクションのつくり方について教えてください。

村上「営業活動はしていませんでしたが、独立に備えて先輩や公的機関の人と知り合うことを大切にしておりました。受験生時代を含めた人のつながりは大きいですね。」
小田「書籍の執筆を行ってました。自ら営業活動をすることは少ないですが、書籍を出していると、そこから問い合わせが来て仕事に繋がることが多いですね。」
花畑「大学院での養成課程が独立の準備期間と考えてました。地域ブランド向上業務に関わることができ、専門的に勉強したことで今後の仕事に繋がりました。
また独立後に大学院の教授や先輩との繋がりから、公的機関の窓口の仕事をいただくことができました。」

Q2.独立のきっかけについて教えてください。

村上「私は受験勉強期間から独立する意識が強かったですね。診断士になった後、先輩から独立しないと受注が難しい仕事をいただいたことで、決意しました。」
花畑「会社員時代から生活を変えたいと思っており、30歳を契機に『生活・子育てできるのか?』と考えて、もう少し時間をコントロールできる仕事したいと思いました。
また企業の社長の手伝いがしたいという気持ちが強かったですね。そのような理由から診断士の勉強期間に独立を決めていました。」
小田「私は同じ仕事をしていると飽きやすいので独立しました(笑)。今でも飽きると新しい仕事を探しており、今新たに取り組んでいる産学官連携の仕事もその一環です。」

Q3.独立時の貯蓄はどれくらいありましたか?

村上「SIerの退職金が入ったため、それなりにありました。」
花畑「私は旦那のお金で大学院入学させてもらったのでマイナスでした(泣)。」
小田「私は物欲も無く、安い賃貸アパートに住んでおり、蓄えがありました。」

Q4.年収の推移について教えてください。

村上「独立して3年目には会社員時代の年収は確保できました。会社員時代の1.5倍くらいはありますね。」
花畑「私も村上さんと同じで、現在は会社員時代の1.5倍くらいですね。ただ出産が重なった時は大幅に落ち込みました。」
小田「私は独立当初にITコンサルをしていた時代が最も高かったです。今は年収よりも、アニメ関係など自身の好きな仕事に時間を費やしています。」

Q5.現在はどのように仕事の情報を収集し、獲得しておりますか?

村上「公的機関の窓口相談員に応募したり、診断協会の繋がりで仕事の情報を収集しています。」
花畑「私も公的機関の公募と検索しますね。毎年2月頃が多く、その時期に探すと意外と募集している機関を見つけることがありますね。」
小田「書籍の企画書を書いて出版社に提案しています。少し前のクラウドファウンディングなど、誰もやっていない分野の書籍の企画は通りやすいですね。
冒頭にも言いましたが、書籍を出していると、そこから問い合わせが入って仕事に繋がることがあります。
ちなみに他の診断士では『ものづくり補助金』などの申請支援をやっている方は稼いでいると思いますよ。」

Q6.受注単価上げるコツはありますか?

村上「公的機関の仕事は単価が決まっており厳しいですが、付加価値提案をすることで、上げてもらったことがあります。
地方で単なる講演依頼をいただいた際に、経営者相談会のセット開催を提案することで単価を上げてもらいました。」
花畑「確かに公的機関の単価は変わりませんね。コツは難しいですが、民間企業は成果を出せば上がっていきますね。」
小田「私は何か成果物を作成する際に、単純作業は外注に依頼することで時間単価をあげるように努めております。」

Q7.自身の強みを強化するためにやっていることはありますか?

村上「SIerに長くいたのでITが強みですね。それを強化するために様々な情報をSNSなどで発信するようにしています。」
花畑「診断士の勉強、コンサル業務を通じて、商品をゼロから作る提案ができるところが強みです。単純な強化ではないですが、
ヒューマンスキルとしてコーチングを学んだことは講師業や社長へのヒアリングに役立っていますね。」
小田「私は強みはあまり意識しておりません。ただ逆に『面倒くさがり』という弱みを解消できるように、単純作業をマニュアル化して外注を使っております。」

■総括
今回の定例会では、三者三様の独立活動について、議事録として掲載できないような生々しい話も交えて聞くことができました。
参加した会員へのアンケートにおいても満足度が95%を超え、非常に有意義な会となりました。

全体

2017年度9月定例会 活動報告

2017年9月度の定例会についてご報告致します。

 

9月度定例会は、ビジネスモデルカフェ、田原弘貴会員、日景聡会員の企画として、『ビジネスが180度変わる!?最もアツイ「ブロックチェーン」の姿』と題して、講演を行っていただきました。

 

講演は田原会員のブロックチェーンが描く未来をメインテーマにした講演に始まり、日景会員のブロックチェーンの仕組みの解説、現在とブロックチェーンが導入された将来のビジネスモデルの変化へと講演が進んでいきました。

 

ブロックチェーンが描く未来

講演の前半では、田原会員よりブロックチェーンとは、「記録」と「承認」の革命であると紹介されました。
登記や戸籍、銀行口座からの入出金や買い物など、他者との重要なやり取りには「記録」が必要とされ、「記録」は「承認」されて完成される。
その「記録」と「承認」のプロセスをブロックチェーンに置き換えることで起こりうる未来の姿を4つの視点から紹介、解説されました。

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1つ目が、アイデンティティの記録による、ブロックチェーン国家の誕生です。実際にIT立国化を進めているエストニアの事例を取り上げ、未来の国家のカタチがどのようになっていくかの可能性が示されました。
2つ目は、お金の流れの記録による自動化される決済です。人による確認が必要な従来の送金と異なり、送金情報が自動で記録されるため個人に直接支払うことも可能であり、手数料が限りなく0円に近づく未来の実現性を感じました。
3つ目は、履歴を記録することによる、情報の非対称性の消滅です。業務実績や個人情報の変更や使用の履歴が記録されるので、情報の管理者と利用者の間での情報の非対称性が解消され、公平な評価がなされる社会について解説されました。
4つ目は、システムのシンプル化と分散管理による、システムの強化です。承認機関への依存が解消されるので、承認機関が複数絡み合う複雑なシステムの簡略化が可能となります。記録と承認の情報を分散管理しているため、サーバに依存するシステムに比べて、強固なシステムが構築される未来を紹介されました。

 

ブロックチェーンの姿

講演の後半は、日景会員より『ビジネスが180度変わる!?最もアツイ「ブロックチェーン」の姿』ミドル?シニア?から見てみた…と題し、ブロックチェーンの種類や特徴、ブロックチェーン導入によるビジネスモデルの進化について解説されました。
ブロックチェーンの特徴として、分散型の技術であり集中型と比較して改ざんが困難で、実質ゼロ・ダウンタイムなシステムを、安価に構築可能であることが紹介されました。
ブロックチェーンの種類には、パブリック型、コンソーシアム型、プライベート型と大別され、それぞれの利用用途や規模などの違いにより承認手順や処理できる容量が異なるとのことです。
ビジネスモデルの進化として、中古車販売、著作権ビジネス、自動車製造の流れの3つのモデル事例について、ピクト図解を用いて解説されました。いずれもブロックチェーンの特徴により、情報の信頼性を向上させ、ビジネスモデルを変化させたりトレサビリティーに活用したりとビジネスに与えるインパクトの大きさを物語っていました。
品質記録や業績を記録できるため、中小企業であっても製品や企業を公平に評価されて、大企業とも対等に契約できる可能性があります。しかし、モデル事例の中での完成車メーカーや世界的な巨大IT企業など、プラットフォームを持つ強大な企業が市場を牛耳ってしまい、囲い込みが強くなり、その企業の仕組みの中での取引を強制される可能性があるなど、使われ方次第ではリスクになることが示されました。

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講演の最後には質疑応答が設けられましたが、質問の挙手が切れることなく、参加者の関心の高さを伺わせる光景となりました。時間をオーバーしても質問が続き、会場の関係上、質問に制限を加えざるを得ないほどで、講演後には、ブロックチェーンの世の中に与えるインパクトにも引けを取らない大きな拍手が会場でわき起こりました。

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2017年度08月定例会 活動報告

2017年8月度の定例会についてご報告いたします。

8月定例会は、中小企業政策研究会のビジネスモデルカフェの企画『ユニバーサルデザインワークショップ~「デザイン思考」で障がい者の「できる」を増やすワーク体験~』と題して、橋本大佑様(一般社団法人コ・イノベーション研究所 代表理事)に講演していただきました。また、日常的に「できないこと」「困っていること」を語っていただく障がい者ファシリテーターとして、車椅子ライフデザイナーの白倉栄一様、戸山土曜会代表の福田彰様、大野泰平様にご出席いただいたほか、提案者であるビジネスモデルカフェの武井会員、日景会員、木下会員にもご協力いただきました。

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今回の定例会の目的は、以下の3つです。

・経済産業的視点、企業経営に資するアプローチで、障がい者支援の在り方を考えること

・障がい者の方々が直面する課題は十人十色であり、生の声に触れることで、課題を多面的に柔軟に考えること

・ユニバーサルデザインの考え方を学び、デザイン思考を用いて、障がい者をはじめ、さまざまな方々にとって価値のある商品、サービスづくりの手法を体験すること

講演ではまず、ユニバーサルデザインの知識を深めるための説明が行われました。2020年東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて政府が策定した「ユニバーサルデザイン2020行動計画」は、「障がいのある人もない人も、支え手側と受け手側に分かれることなく共に支え合い、多様な個人の能力が発揮されている活力ある社会」(共生社会)を目指しています。また、価値の高いイノベーションは、多様性が高いほど起きやすいとされています。

こうした多様性を尊重し合いながら、コミュニケーションをとり、共に支え合う「心のバリアフリー」実現に向けて、重要になるのが「ユニバーサルデザイン」。難しく考えることはなく、「今までよりできる限り多くの人にとって利用しやすいデザイン」を生み出せれば、それはユニバーサルデザインになるとのことでした。

その後は、障がい者ファシリテーターを囲んだワークショップに。

最初のワークでは、私達が普段何気なく利用している道路の写真などを題材に、障がいを持つ方々から、現状困っていることのヒアリングを行いました。何気なく歩いている横断歩道の段差や街頭の障害物などが、私たちでは気づきにくい不便さにつながっている点を実感しました。

そんな中、アイデアを次々生み出している福田様からは、片手でも全身を洗えるタオルを考案するなど、日々の不便さを克服するための工夫の数々について、紹介していただきました。

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次のワークでは、複数のグループに分かれ、ホテルの予約・利用時の課題や、自分に合う靴が見つからない悩みなど、白鳥様、福田様、大野様の個人的な困りごとをまずヒアリング。そして、それらを他のユーザーの課題としても「一般化」した上で、「バリュープロポーションマップ」を用いて、新規ビジネスモデルの策定にチャレンジしました。

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各グループとも、普段は思いも付かないテーマで苦戦を強いられる一面もありましたが、ビジネスモデルカフェメンバーのサポートの下、短時間の間に興味深いビジネスモデルを次々とまとめ上げて発表へ。障がいを持つ皆様からもフィードバックを受け、会は好評のうちに幕を閉じました。

なお、会の冒頭では、この日が誕生日で、同日に開業届けも出した白倉様に武井会員から花束が贈呈され、会員一同、拍手で祝福いたしました。

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2017年度07月定例会 活動報告

2017年7月度の定例会についてご報告いたします。

7月度定例会は、中小企業政策研究会のFATの企画として『あなたはFAT印刷を救えるか?』と題して、宇都会員、稲垣会員に講演を行っていただきました。

講演ではまず仮想企業である「FAT印刷」が身を置く印刷業界の特徴や現状を紹介いただき、それを踏まえてFAT印刷の財務状況や今後の事業計画についてワークを行いました。

FAT印刷は創業から42年目の印刷会社で、自社でデータ生成から製本まで行える仕組みを持っています。診断士のアドバイスを受けながら経営改善を進めているところで、社長に「気づいてもらう」ために診断士として何ができるかを考えていきました。

印刷業界の特徴・現状

講演では初めに、印刷業界について特徴や現状、動向などが宇都会員より紹介され、ワークをするにあたっての基礎知識を学びました。
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まず、印刷業界はガリバー企業2社と中小企業群で構成されており、共存共栄の分業体質であることや、消費地近接型であるため都市部の出荷額が多いことが紹介されました。

印刷業の現状として、外部環境に左右されやすい商業印刷は折り込みチラシやフリーペーパーの減少に直面しており、また出版も著しく市場規模が縮小するなど厳しい状況にあります。そのような状況でも、オンデマンド印刷やWeb to Printといった手軽に発注・製作が行えるような仕組みや、ネット印刷やインバウンド需要の取り込みのように近年急成長した分野も登場しています。

ワーク1:FAT印刷の決算書を見てみよう

FAT印刷の決算書から、問題点・課題点を推測するワークを行いました。一通り個人で考えた後に班内で議論を行い、各々の観点を話し合うことで大いに盛り上がりました。各班の発表では、残業が増加していることや外注加工費が増加して利益が出にくい体質になっていることなどの指摘が出ました。

その後宇都会員より、中小企業の財務分析では「2期~3期分比較して変化を確認すること」、「引当金の不計上や減価償却不足などありがちな決算処理がないか」に注意することが必要で、俯瞰して問題点や課題を把握することの重要性が示されました。
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デジタル印刷について

講演の後半では、近年登場したデジタル印刷について、従来の印刷と異なる部分を稲垣会員から紹介いただきました。デジタル印刷では、印刷の版である「刷版」を作る作業が不要なため固定費削減ができること、また手軽に出力が可能なため小口の業務に向いている仕組みであることが、ワークの前提の知識として紹介されました。

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ワーク2:あなたはFAT印刷を救えるか?

FAT印刷では、取引先のペーパーレス化による受注減少や印刷用紙の高騰により赤字になってしまうことが見込まれていました。そこで、デジタル印刷機の新規導入も含め、方針の異なるⅠ~Ⅳ案のうちいずれを提示すべきか班内で議論を行いました。どの案も一長一短あり、班内でもなかなか意見がまとまらない姿も見られました。各班発表でも意見が分かれ、最後にFAT内で議論したメリット・デメリットが発表されると、参加者はみな気づきを得たようでした。発表終了後には盛大な拍手に包まれ、11月度の企画である「事業計画書を作ってみよう」にも期待が寄せられていました。

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2017年度06月定例会 活動報告

2017年6月度の定例会についてご報告いたします。

6月度定例会は、前半に本年9月以降の定例会企画を決める企画コンペを実施しました。後半は平成28年度総会、本研究会の創立者である遠藤直仁先生による特別講演が行われました。

企画コンペは事前のネット投票による1次選抜を通過した上位15企画について、企画者よりプレゼンテーションが行われました。以下発表順に企画内容と発表者をお知らせします。

1.図解で収益モデルを見える化する「ピクト図解®」 講座! <<日景聡>>
2.「あなたにはつい話しちゃう」
と言われるコンサルタントになるための傾聴技術 <<高橋光久>>
3.リターンを生む働き方改革とは? <<宇都啓介>>
4.古典芸能に学ぶ、話の「覚え方、話し方、笑わせ方!」
これであなたもプレゼン真打!! <<井上誠>>
5.IoT特許ビジネス最前線
~最新IoT特許情報から中小企業のビジネスチャンスを探る <<木下忠>>
6. FAT印刷の事業計画書を作ってみよう! <<藤本江里子>>
7.徹底研究!地域支援を行う診断士のあるべき姿とは?
~ゴーストタウンだった熱海の街を復活させた事例から探る!~ <<小島慶亮>>
8.私の倒産体験談 <<仲田俊一>>
9.ビジネスが180度変わる!?
最もアツイ技術「ブロックチェーン」の姿 <<田原弘貴>>
10.実演!『売れる商品写真』の撮り方 <<石田紀彦>>
11.政策研新旧チームリーダーが語る!
独立診断士 3人がどうやって独立したか <<小田恭央>>
12.女子力のミクロ経済 <<中口宗紀>>
13.失敗企業と成功企業の分岐点 ~私の再生支援経験より~ <<岩本亨>>
14.本当はどうなの?企業内診断士【副業の実態】隠さず見せます! <<三木進史>>
15.事例に学ぶ、中小企業の社長はどのような支援を求めているのか?
~ここまでやれば中小企業は生き返る!~ <<岩本亨>>

持ち時間である4分間を存分に使い、さすが診断士と思わせる熱意のこもった聴く人の心をぐっと惹きつける素晴らしいプレゼンテーションが実施されました。終了後、本発表内容について、コンペ当日の参加者が1位から3位までを投票しました。

集計は以下のルールに基づいて行われ、事前のネット投票とコンペ当日の投票を合算した点数で順位を競いました。

・コンペ当日の投票 :1位3点、2位2点、3位1点
・事前のネット投票 :1位3点、2位2点、3位1点

集計の結果、下記順位となりました。1位から9位までの企画が、本年9月以降の定例会で発表される予定です。

1.事例に学ぶ、中小企業の社長はどのような支援を求めているのか?
~ここまでやれば中小企業は生き返る!~ <<岩本亨>>
2.本当はどうなの?企業内診断士【副業の実態】隠さず見せます! <<三木進史>>
3.実演!『売れる商品写真』の撮り方 <<石田紀彦>>
4.私の倒産体験談 <<仲田俊一>>
5.失敗企業と成功企業の分岐点 ~私の再生支援経験より~ <<岩本亨>>
6.徹底研究!地域支援を行う診断士のあるべき姿とは?
~ゴーストタウンだった熱海の街を復活させた事例から探る!~ <<小島慶亮>>
7.ビジネスが180度変わる!?
最もアツイ技術「ブロックチェーン」の姿 <<田原弘貴>>
8.政策研新旧チームリーダーが語る!
独診断士 3人がどうやって独立したか <<小田恭央>>
9. FAT印刷の事業計画書を作ってみよう! <<藤本江里子>>

後半は、年次総会が開催され、進行役である岩本幹事より平成28年度総会開会の宣言、次に決算報告・幹事改選・会則改正を議題とする旨の報告がなされました。

1つ目の議題である決算報告については、沢田幹事より収支報告書のとおり会計報告がなされ、出席会員全員一致の承認を得ました。

2つ目の議題である幹事改選については、岩本幹事より平成28年度新チームの2名(飯野会員、古山会員)が新任幹事として就任し、その他の幹事は留任となる旨を報告し、出席会員全員一致の承認を得ました。

3つ目の議題である会則改正については、岩本幹事より出席できない会員の意志も反映すべきという意見を尊重し、今後は電磁的方法による議決権行使を認める旨を報告し、出席会員全員一致の承認を得ました。

総会の閉幕後、遠藤先生による講演が行われました。大企業における不正会計がその企業のみならず社会に大きな影響を与えていることに言及し、なぜ会計がそれまで大きな影響を出してしまうのかというテーマを、事例等を用いながら説明いただきました。

また、会社の実態を把握し助言していく診断士には、会計の仕組みを理解できる会計の力をつけること、そして今後もルールが変化し続ける会計に対してしっかりと意識を持ち取り組んでいく必要であるというメッセージを頂きました。

2017年度05月定例会 活動報告

20175月度の定例会についてご報告いたします。

5月度定例会は、中小企業政策研究会の事業承継研究会の企画として『今さら聞けない! 事業承継入門講座』と題して、染谷会員をはじめ事業承継研究会会員の方々に講演を行っていただきました。

公演は中小企業庁の策定した「事業承継ガイドライン」のポイント紹介から始まり、事業承継の現場での事例紹介と進み、最後に参加者全員で事業承継の中での診断士の役割を考えました。

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事業承継ガイドラインのポイント

公演の前半では、事業承継ガイドラインの内容として、事業承継の現状と、事業承継が進まない理由、そしてガイドラインの改訂ポイントが灰田会員、中村会員、小寺会員より紹介されました。

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現状としては、社長の高齢化が進行し、会社を引き継ぐ人がいないため同業他社と比べて順調な業績であるにも関わらず廃業を予定している企業が多くあることや、円滑に承継ができれば成長につながる傾向があることが示されました。それでも10年前から事業承継がうまくいかないという課題は変わっておらず、そこには国が施策を打てどもあまり使われていないという現実がありました。また、中小企業を承継する魅力が不足していることも一因と示され、要因が複雑に絡み合った事業承継の難しさを理解する貴重な機会となりました。

今回のガイドライン改訂では、事業承継を進めるためにステップの明確化やツールの整備、支援体制の強化がポイントとして挙げられており、早期に計画、着手をして円滑な承継を促進することの重要さが紹介されました。

支援企業の事例

公演の後半では、中村会員よりアルミ業者の事例をお話いただきました。

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思い切って業態変革を行った後に取引先から契約を打ち切られ、苦しい中追い打ちをかけるように社長を病魔が襲う。長男は経営を担えるだけの能力も意思もなく、司令塔がいなくなった企業は迷走してしまった。そこからは、ある程度の年齢になったら、会社の業績問わず承継を考えなくてはいけないという学びがあり、心に留めておくべき内容でした。

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診断士の役割について

最後には、診断士のかかわり方を自らで考え、発表する場が設けられました。参加者からは「まず診断先の社長に問題提起をして承継について理解してもらう」、「専門家を招集する役割なのでは」、「後継者の育成に目を向けさせる」、「事業の魅力を向上させる」など様々な視点での意見が出て、診断士の役割について改めて考える良い機会となりました。

「診断士は全体を鳥瞰(高いところから見る)してリードしていく」考え方が承継研より紹介され、講演の後には集まった73名もの参加者から盛大な拍手が沸き起こりました。

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2017年度04月定例会 活動報告

2017年4月度の定例会についてご報告致します。

4月度定例会は、岩本亨会員の企画として、『事例に学ぶ、中小企業の社長はどのような支援を求めているのか?』と題して、中小企業診断士でもある島根県信用保証協会出雲支店支店長 小野拳さんに講演を行っていただきました。

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講演は小野さんがいらっしゃる島根県の紹介に始まり、小野さんが担当した印象深い2企業の事例、経営者との対話で気づかされた事と講演が進んでいきました。

支援企業の事例

講演の前半では、小野さんが担当した企業の事例として、パン等製造業と衣料品製造業の2つの事例が支援に至る経緯からどのように支援していったのか、具体的な行動を交えて紹介されました。

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パン等製造業の事例では、民事再生適用後の最高益を達成した経営改善について紹介されました。資金繰りが厳しく、誰も応援してくれない状況でも4年間、毎月一日も遅れずに代位弁済の返済を続けてきた経営者。その様子を見ていて、何とか力になれないかと強く思い、朝3時にパン工場を見学したり配送に同行したりして自らの目で問題点を見つけ、提案し、経営者に寄り添うことによって経営改善に繋げた保証協会の担当者。担当者の思いと経営者の思いのぶつかり合いの中で、信頼関係を構築して改善を実現させていったプロセス・・・。現場に深く入り込んだ改善活動を聞ける貴重な機会となりました。

衣料品製造業の事例では、主要取引先の破綻により連鎖倒産の危機をなんとか回避した企業を立て直すべく支援した取り組みが紹介されました。受注量が増加しながらも資金ショートが予想される事態の発生、なんとか資金ショートを回避する(奇策とも言える)対策を模索し実現させ、資金繰りをつないだ。経営改善のお手伝い以上に、経営の一翼を担う覚悟で行われた支援は参加者にとっても大変興味深い内容でした。

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経営者との対話で気づかされた事

講演の後半では、小野さんが経営者の方々との交流によりカタチ作られていった「顧客幸福」「従業員幸福」を中心にお話をいただきました。「顧客満足」と「顧客幸福」、「従業員満足」と「従業員幸福」の違いはなんなのか・・・?

顧客満足=低価格、高品質、短納期/従業員満足=高処遇、ラクな仕事

→このように短絡的にとらえ疲弊する経営者が多いが

顧客幸福=夢や感動、気配り、価値に気付かせる/従業員幸福=成長の実感、やりがいなど

→顧客や従業員から支持され、結果持続できるのはむしろこうしたこと

そして、それぞれの「幸福」を実現し、高い実績をあげている企業の事例が紹介されました。

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「多くの経営者は孤独であり、本気で応援してくれる人。戦友がいない。」「だからこそ経営者に寄り添い、心の叫びを聞ける人が必要とされている。」多くの現場で中小企業の経営者を支援してきた小野さんから発せられる熱い言葉の数々は、参加者の胸を熱くし、講演後は会場が拍手に包まれました。

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