活動報告:2024年4月度定例会

三木進史会員から企業診断士令和の副業(複業)~アフターコロナの稼ぎ方~についてお話を頂きました。

講演内容

令和の診断士の副業についてアンケートを行い多くの方に回答いただきました。本日のプログラムは以下の通りです。内容も多岐に渡っていますので本日はその中からかいつまんでお話をいたします。

まず令和の副業(アンケート編)です。アンケート調査概要についてご説明します。2023年11月10日~12月10日に政策研のメーリングリストなどを用いインターネット調査を行い副業経験者の企業内診断士を調査対象としています。有効回答数として132件回答いただきました。また、追加のインタビューを行なわせていただいた方も見えます。

診断士の登録年度やどんな副業をやったことがあるか、どう受注したか、やってみてよかった点やいま一つの点などを聞いています。1年間でどれくらいの時間を副業に使ったか、その時間を作り出す工夫や会社や家庭とのバランス、副業活動にあった変化や副業マッチングサービスなどもお聞きしています。

まず初めに副業の実態です。副業とは金銭的報酬の発生する診断士業務と定義しています。

診断士が副業として行っている定義と区分けについては大きく分けて以下の6項目としました。

この6項目をまた細かく分けています。コンサルに関しては簡易診断、窓口相談・専門家派遣、コンサル契約に分けています。

補助金関係については申請支援と審査に分けています。

講師に関してはセミナー講師、イベント運営補助、教育関係の講師に分けています。

講師に関してはセミナー講師、イベント運営補助、教育関係の講師に分けています。

予備校関係に関しては予備校の採点添削・作問等、受験生相談員(フォロー)、予備校講師、参考書等執筆に分けています。

その他については、企業経営や1-17以外として分けています。

では、次に副業の内容についてご説明します。アンケート結果として実際に副業として何をやっているのかの回答としては543件、回答者数128人に回答を頂きました。思ったよりも4項目(コンサル、補助金、講師、執筆)にバランスよく分かれています。

これをランキングで見てみると1位は補助金の申請支援です。

ここからは調査結果の概要です。(プレゼンターからのご希望によりスライド・内容以下の掲載は最小限にしています)

第1位 副業の実態として1位は補助金の申請支援です。成功報酬として比較的高額な報酬額を得られている方も見えます。報酬は成功報酬の場合、獲得補助金のパーセンテージでいただく場合もあるのでかなりの額になる場合もあります。従事する時間は経営者の関与の仕方やサポートをどれだけ行うかで使う時間も大きく変わってきます。

良い点として比較的高額な報酬がもらえる点や平日夜間の時間が使え企業に勤めながらも比較的やりやすいこと、経営者とのやり取りの中で能力が磨かれることなどです。改善したい点としては業務量の割に報酬が少ないことなどがアンケート結果としてあげられています。

次に副業でいくらいくら稼いでいるかです。全体の86.4%が200万円未満に分布しています

年齢に比例して収入金額の平均値が高くなる傾向があります。また、稼働時間に対して収入金額が高い方の事例の説明もありました。一つの副業だけやっているのではなくいろいろな組み合わせで副業をされている方も見えます。(副業ポートフォリオ)

次にどうやって仕事を受注しているか。営業活動についてです。研究会などから団体からの紹介 43%。研究会、診断士協会・支部、プロコン等の養成塾、その他です。次に知人からの紹介 37%。この2つで81%です。ほかに顧客自身が知人・友人、自ら営業や仕事立ち上げ、副業マッチングサービスなどです。

研究会・診断士協会等の所属・登録・受講団体からの紹介では、補助金支援業務を受託している研究会への参加、診断士協会のメーリングリストに来た案件募集に応募などがあります。こういった受注をされた方の例として

企業診断へのインタビュー記事執筆案件が取材の学校受講時の企画提案間で採用されたことから受注できた。

診断士や他士業の知人からの紹介、顧客自身が知人・友人に関しては、研究会の知人が執筆依頼を受けていて一緒にやらないかと声をかけられた。友人経営者から事業再構築補助金の申請の協力を相談されたりしています。例として、

人づての紹介の例として研究会で補助金申請の仕事をやりたいと手を挙げていたら補助金申請支援の協力者を探している診断士を紹介してもらった。

自ら立ち上げたでは、診断士団体のプロジェクトによる受注や経営者勉強会を立ち上げてコンサル短ティングの仕事にむすびつけたなどのです。例として、

大塚商会の研修事務局に自ら売り込んで理論政策更新研修の講師を受注した。

また、マッチングサービスとしては次のような会社があります。

 

大手総合系サービス(クラウドワークスなど)

副業ハイクラス人財向けサービス(ビザスクなど)

キャリアアップ・地方支援など特徴を打ち出すサービス(サンカクなど)

企業内診断士を売りにしているサービス(apgライトコンサル)

 

アンケートからはまだ全体の1割程度の人しか利用していない。この中で仕事の紹介に結びついたのは半数程度。(全体の6%)診断士としての専門性が必要とされるものが多い結果です。

次に副業するための工夫です。副業するための時間の捻出方法はスケジューリングの工夫や副業をやる曜日を工夫する、年間の副業プランを立てる、副業をやる時期を決めて会社の仕事をセーブするなどなど。週末や、夜間、有給とるなどいろいろと皆さん工夫されています。また、スキマ時間やフレックス時間を使用したりされています。

副業の調整や効率化としてGoogleカレンダーなどのツールを利用する、クラウドを利用しどこでも仕事できるようにする、自分の都合で時間を決めることのできる案件のみ受注、コワーキングスペースの利用などですが、レスポンスを早くすることは大事です。最後は気合で乗り切る、ひたすらやるのみという方も見えます。

会社との関係は本業に力点を置きながら、

  • 競業避止義務を守る
  • 副業申請をする
  • 同僚には秘密
  • 会社では秘密
  • 本業をしっかり

 されています。

家族との関係性として家庭に配慮、日時の配慮、家計へ入金している方が多数みえます。

 

インタビュー編

ここから勝田さんのバトンタッチです。モデルケースを3人にインタビューをしました。本日はHさんがいらっしゃっていますので、実際にこの場でインタビューを行います。

 モデルケースとしては

1.Oさん

22年度登録、40代印刷会社法人営業15年、いろいろな仕事に手を挙げている。正々堂々と副業申請。土日どちらかで対応して360時間/年

 

2.Kさん

23年度登録、30代、銀行出身、地元へUターン、本業に生かそうと診断士になった。

1200時間/年 副業にフル活動後、独立

 

3.Hさん

21年度登録 50代、本業とのシナジー、リアルの場で多方面とのつながりを形成

診断士3年目、IT関係に仕事。副業申請している。500時間/年

 

ここからはHさんとのインタビューです。

やってよかった副業は?

商工会議所 経営相談窓口業務です。理由としていろんな社長と話ができる。当日どんな相談が来るかわからない、ぶっつけ本番なので相談の瞬発力がつく。鍛えられる。

何を相談したいのか聞きだすところから始まる。インタビューのスキルが役に立つ。

 

大事にすることは?

副業であってもお客様から見れば診断士なのでプロ意識をもって堂々とやる。仕事を取るというところでは、まずは手を挙げる。情報が来たらすぐ手を挙げる。情報は平等に来るので早い者勝ちです。

 

副業を始める前と後で変わったことは?

 診断士をとったら世界が変わった。本業も。交流できる範囲が広がった。社長さんとの話ができる。本業においてもストレスがなくなった。副業をやることで気持ちの切り替えができる。本業にも良いシナジーが出ている。

 

今後のチャレンジしてみたい副業は?

よりコンサル的、診断士らしい仕事をやってみたい。第一歩として専門家派遣をしてみたい。創業支援スクールのセミナー講師をやってみたい。今年はまず運営からスタートしたい。

 

セミナー振り返りとして、

1.企業内診断士が副業として何をやっているかが体系的に分かった。副業をやる方の考える材料となる。

2.収入・時間の目安 どのくらい稼げるかの実態も分かり、目安ができた。

3.副業時間に関してもある程度コントロールして皆さんが行っていることが分かった。

4.副業ポートフォリオの例も出すことができた。

 

事例や情報のお話からこれから副業をどう行って行くかの参考にしていただき、皆さんが考えていただければと思います。

このセミナーで得られた気づきから副業ライフを充実させていただければ幸いです。

 

感想

診断士の副業について、何ができるのか、どのくらい皆さん稼いでいるのか、時間をどう有効利用されているのかなどの実態が良く分かり、三木会員の言われるように副業にチャレンジするよい情報や目安ができたと考えます。

今後は副業が当たり前になる時代が来ていますので、こういった情報は本当に貴重であり、しっかりとプレゼン内容を理解し実践してゆきたいと思います。

三木会員、勝田会員ありがとうございました。