活動報告:2023年11月度定例会

「診断報酬の適正価格を知る」を奥村宏明会員よりご講演を頂きました。

講演内容

診断士報酬の適正価格~FEEについての基礎知識

 本日の講演の目的は、「報酬金額を根拠をもって提案できるよう、基本的なフィーの仕組みを理解する」ことです。奥村会員は広告会社で30年働かれ、その後中小企業診断士に登録、独立されいろいろな分野でご活躍されています。

まず、コンサルティングの依頼パターンを理解する必要があります。依頼のパターンにより報酬のタイプがFeeタイプになるか、コミッションタイプになるかがほぼ決まってきます。

今日はこの中でも時間当たりの報酬型を意識しての説明を行います。
さて、そもそもこのFeeとコミッションというのは何なのか説明します。

なかなか文字だけでは理解しにくいと思われますので、図にしてみました。

 コミッションとFeeは上の様に理解することが出来ます。コミッションの場合は成果金額がコミッションの分だけ引かれることを前提に顧客企業にお金が渡ります。Feeの場合は成果金額全額顧客企業にお金が渡り、成果金額とは別にFeeを計算して支払われるということで理解いただければと思います。

 しかしながら、コミッションは顧客に対して根拠鵜が薄く説明がしづらく成果額に応じて報酬額が変動してしまうところがあります。Feeは計算根拠があり顧客にも納得感があります。また、コミッションは成果により報酬は変動しますが、Feeはコンサルティングの難易度がベースとなり決定するという違いもあります。

 本日は透明性の高いFeeにフォーカスして説明を行います。Feeの算出方法としては以下の通りです。

この一つ一つを説明して行きます。ダイレクトタイムコストは以下の様に算出します。

 ダイレクトタイムコストは時間X単価という事で、理解し易いと思います。

 次はオーバーヘッドの算出です。オーバーヘッドの算出をする前に、オーバーヘッドとはどういうものなのか説明します。

オーバーヘッドレートがいくらなのか、算出方法は以下の通りです。

 オーバーヘッドレートを直接人件費で割り、レートを算出することで報酬金額算定に役立ちます。

 それでは仮想事例から時間単価(原価)を計算して行きます。以下が仮想事例です。

 給与と給与に関した経費を足し合わせることで人件費が算出され、その他経費を加えて全経費が算出されます。

 オーバーヘッドレートを計算するには、どの様に時間を使用したか理解することも必要です

 この会社のAさんは2000時間の労働時間のうち200時間をアドミや新規開拓の時間として使っています。この部分がオーバーヘッドになります。

 上記の表のうち、左の赤枠で囲ってあるところがオーバーヘッドになります。このオーバヘッド(その他の経費)を直接人件費で割ってやることでオーバーヘッドレート(ここでは120%)が算出されます。

さて、ここから時間単価を計算してみます。

 先程のオーバーヘッドレートの計算をここで使用すると1時間単価にオーバーヘッドを加えて、時間単価は 11,000円となりました。

 ここで、経費をカバーするだけでは会社としてはトントンになるだけで利益が無いのでプロフィットマージンを考えます。

最後にプロフィットマージンを加えて、1日の単価を計算します。

プロフィットマージンは会社ごとにまちまちだと思いますが、ここではプロフィットマージンを全体の1/3とし、1日7時間クライアント業務に使うとすると1日あたりの単価が115,500円という計算になります。

こういった計算をすることで論理的にお客様に対しても説明できる数字となり、納得性も高くなります。

 フィーの要諦はオーバーヘッドレートを算出し、報酬の計算根拠とすることが必要です。そのためには、実際にどれくらいの時間をダイレクトクライアント時間やオーバーヘッド時間として使用しているのか記録に取ることが必要となります。さもないとオーバーヘッドコストの割合などを顧客に示すことが出来なくなってしまい説明が難しくなります。

 

 今回の講演では、コンサルティング依頼の違いからくるコミッションとFeeの違いから始まり、Feeの算出方法を分かり易く説明を頂きました。また、Feeの要諦はオーバーヘッドレートの算出という事に関して理解が深まりました。
 診断士が独立する時にFeeをどうするかは悩ましい問題ですが、顧客の立場に立ってFeeを算出し説明することにより顧客からの理解を得ることが出来、自らの時間の使い方にも気を使わなければならない点に関してもご指摘がありもっともなことと思いました。


 奥村会員、よく分かる適正価格のご講演をありがとうございました。