私達は企業の未来をアシストする中小企業診断士のプロ集団です。

第6回:診断士2次試験終了から1年後の世界

皆さん、はじめまして。中小企業政策研究会会員の和田純子と申します。

10月23日に中小企業診断士の2次試験が終了してから10日ほど経ちました。

2次試験を受験された人は、自分の再現答案を作成した後に、今まで我慢していたこと(家族との旅行、友達との食事、1人での読書など)を思いっきりやって、リフレッシュしている頃でしょうか。それとも、「あの解答でよかったのかなあ」と、もやもやした毎日を過ごしている頃でしょうか。

私が中小企業診断士試験の勉強を始めたきっかけは、岡山から東京に出てきて5年経ち、30歳半ばになった頃に「何の取り柄もない私がこのまま会社に勤め続けると、私のこれからの人生はどうなっていくのだろう」と不安になったことからでした。試験勉強をしていくうちに「日本には素晴らしい中小企業がたくさんある。中小企業を支援する仕事を本職にしたい」という気持ちに変わりました。

中小企業診断士の2次試験に合格したら、できるだけ早く会社を辞めて、個人事業主になろうと決めていました。独り身なので、最初は中小企業診断士の仕事だけで食べていけなくても、コンビニでアルバイトしながら仕事をしていくのでもいいので、できるだけ早くスタートしたいと思っていました。

よく「思い切ったことをするね」と言われますが、私のモットーは「思い立ったが吉日」と「後悔しない人生を過ごすこと」。人生、いつ死ぬかわかりません。明日、不慮の事故に遭って亡くなる可能性だって、ゼロではないのです。だったら、「やりたいことに向かって、すぐに行動しましょう」というのが私の考え。

そんな私が2次試験の合格発表の日から怒涛のように過ごしてきた11か月について、箇条書きになりますが、ご紹介いたします。

【2015年12月】
・合格発表の日、インターネットで自分の受験番号を確認した後に、Facebookで診断士試験合格を報告。
・合格発表の翌週に、会社の年度末の面談で、上司に診断士試験合格と来年3月で退職する旨を伝える。
・予備校の先生、先輩・同期からのおめでとうコメントに返信しつつ、口述試験対策に励む。
・先輩から受け継いで、口述試験当日は口述オフ会(東京)を主催。同期合格仲間と情報共有を図る。
・先輩に某受験支援団体の書籍の執筆メンバーに推薦していただき、キックオフに参加。
・年末に岡山に帰省し、実家の両親と妹に診断士試験合格と会社を退職して個人事業主になることを報告。

【2016年1月】
・予備校の合格祝賀会に参加。お世話になった先生たちにお礼を言う。たくさんの同期仲間ができる。
・診断士の先輩にお祝いの食事会を開いていただく。多年度受験だった私もやっと診断士の仲間入り。
・1月下旬から実務補習の準備。会社には、実務補習の平日は有休を消化させてもらうことの許可を得る。
・受験時代にウェブや交流会で知り合った診断士の先生の事務所に診断士合格&独立のご挨拶に行く。
・受験時代からお世話になっている先生が開講しているマスターコースの事務局を引き続きやらせていただく。

【2016年2月・3月】
・会社勤めと実務補習の毎日。体力勝負。実務補習のメンバーが優秀な人ばかりで、プレッシャーを感じる。
・班長を経験させていただく機会もあり、3月中旬、5日×3社=15日の実務補習を修了。
・3月末日で建設サービス業の会社を退職。

【2016年4月・5月】
・中小企業診断士登録。東京都診断士協会の三多摩支部に入会。
・管轄の税務署に開業届を提出し、独立診断士としての人生がスタート。
・ご縁により、某公的機関に週何日か勤務する(1年契約)。これで独立最初の安定収入を確保。
・先輩診断士から、ものづくり補助金の申請書類作成、診断士予備校の問題作問、某市の中小企業へのヒアリング調査などの仕事を受ける。
・診断士の研究会やマスターコースの紹介イベント「スプリング・フォーラム」に参加。
・診断士として執筆の勉強&実務ができる「取材の学校」を受講(4月・5月の日曜に全7回)。
・「スプリング・フォーラム」で興味がわいた研究会のうち、数カ所の研究会に見学に行き、入会。
・研究会の枠で、雑誌「企業診断」の執筆チームに参加。

【2016年6月~8月】
・「取材の学校」経由で、執筆(取材を含む)の仕事を数件させていただく。
・某団体に登録し、ものづくり補助金の外部検査員の仕事をさせていただく。

【2016年9月・10月】
・この頃に、6月、7月に取材・執筆した自分の記事が雑誌として世に出る。(3か月くらいスパンがある)
・研究会内で、90分の自主講座を開催。(90分も人前で講義をしたのが初めてで、緊張しました)
・事業承継を専門とした中小企業診断士になるために、9月のシルバーウィークに事業承継の某講座を受講。
・事業承継専門の先生のところで修業させて頂けるようになり、自社株価評価システムの入力業務などを行う。
この他に、先輩診断士や同期仲間との企画の打合せや飲み会が加わります。勉強のためのセミナー参加も多いので、お金もどんどん飛んでいきます・・。とにかく独立1年目は出費がかさみます。会社員のうちに、しっかり貯金しておきましょう。

中小企業診断士になると、様々な仕事のチャンスが巡ってきます。ただし、じっとしていてはチャンスをつかめません。自分からチャンスをつかみにいくのです。診断士受験生の皆さんも、自分からチャンスをつかんでいってくださいね。吉報が聞けるのを楽しみにしています。

和田純子和田 純子(わだ じゅんこ):
岡山県岡山市生まれ。地元の大学を卒業後、建設会社に入社。28歳の時に上京し、建設サービス会社でマンション購入者向けの工事ドキュメントや住宅設備機器の取説の作成などを手がける。2016年4月に中小企業診断士登録と同時に開業。現在は、公的機関で助成金の推進、補助金の検査、執筆、などを行う。また、昔飼っていた猫の名前から「まな」というハンドルネームで受験生支援団体に所属。今後は事業承継専門の診断士を目指していく。

第7回:岩本亨先生インタビュー(前編)

はじめまして、中小企業政策研究会会員の松本・水島です。
中小企業政策研究会(通称:政策研)のWEBチーム編集事務局がお届けする2016年受験生応援ブログ、今回は『診断士資格の魅力』をお届けする企画です。

第7回目の今回は中小企業診断士1年目の松本・水島による政策研の統括幹事である岩本亨(いわもととおる)へのインタビューを通じて、中小企業診断士の魅力、政策研の魅力をお届けします。


事業再生の現場で活躍する中小企業診断士

iwa_interveiw01―現在のお仕事について教えてください。
独立してやっていますが、CRC(企業再生・承継コンサルタント協同組合)の仕事が9割くらいで、個人の仕事が1割くらいです。

―CRCはどういう団体なんですか?
CRCは、企業再建・承継コンサルタント協同組合が正式名称で、2001年11月に設立されました。「中小企業に特化して、事業再生の支援をする」ことを目的に設立された組合です。もともとCRCの代表理事である真部が株式会社リクルートで住宅専門の週刊誌の出版に関わっていたのですが、広告だけでは飽き足らず、不動産の売買業に関わるようになり、やがて、資産家向けのコンサルタントとして独立しました。その後、1990年代に入ってバブルが弾けましたが、資産家は企業を持っていることも多いので、経営状況が悪くなった会社の面倒を見て欲しいという依頼や、保有不動産を活用して資金調達できないか?等の相談ががどんどん来たんです。それで、再生支援の相談に対応するために設立されたのがCRCです。資産家向けのコンサルタントをしていた時も、自力でできることは限られているので、ネットワークを活かして仕事をしていましたが、同じように再生の専門家をネットワーク化して対応しようとはじめました。

―事業再生では、どういうことをするのでしょうか?
特に金融機関が考える事業再生は、債務免除や借入金を圧縮するなどして、B/S(貸借対照表)を軽くすることを主として検討する傾向があると思います。もちろんそこも大切だけれども、B/Sをよくしたところで、P/Lで稼ぐ力が回復していないといくらよくなっていてもまた赤字になって、B/Sも元の悪い状態に戻ってしまうんですね。また、大企業のように民事再生法や会社更生法などの法的整理を適用することが難しい。法的整理を適用してもよいのだけれども、その会社が他社に比べて際立って差別化できる何かを持っていないと、過半数の債権者の同意が得にくい。つまり再生の条件が揃わず破たんしてしまうのです。中小企業の再生にはP/L改善が不可欠。それを自助努力で実現させなければ中小企業の再生は実現できません。ということで経営改善型の再生が重要なのです。

―事業再生の難しさはどういうところにあるのでしょうか?
まず、現状を調査分析(「デューデリジェンス」と言います)、把握し問題を抽出したうえで、それをどういう風に解決していきますかという課題設定を行います。色々具体策を検討しながら、再生計画をつくります。お金を貸している全金融機関が「この計画をきちんと達成していくのであれば、支援を継続します」と計画に同意してくれると、社長が安心してしまい、計画の実行が始まらないことが頻繁にあります。笑い話のようですが、神棚に再生計画をあげて、毎朝拝んでいるとかね。計画を立てることが目的ではなくて、実行することが目的なのに、それができないのです。

―どうしたらよいのでしょうか?
一つの策として、「一緒になってつくってきた計画なので、一緒になってやりますか」と一般的なモニタリング期間である3年間、CRCから経営幹部人材を1、2名をその企業に出向させる(ターンアラウンドマネージャー:TAMと言います)ような取り組みを2005年から行っています。TAMは計画実行のためのアクションプランを月単位で詳細に作り、1ヶ月に1回は経営者、出向しているTAM、メイン金融機関の担当者、CRCのプロジェクトマネージャーが、集まってアクションプランと数値計画の進捗状況、資金繰りを共有します。進捗が遅れているものがあれば原因を明確にして対策を決めます。このように、1ヶ月に1回のコミュニケーションを積み重ねながらPDCAを回し、取り組んでいく。そうして3年間きっちり継続するとほとんどの企業が非常によくなります。

―きっちりできない、続かないケースもあるのでしょうか?
続かないケースもあります。中小企業の経営者は一国一城の主ですから、「俺の会社だ」という気持ちが強いです。こちらから出向するTAMはやることは決まっているけれど、落下傘部隊なので、いきなり現場に入っていくことになります。まずは、信頼関係を構築しないと難しい。従業員の信頼を得ることができたとしても、社長の信頼を得ることができないと続きません。信頼関係が築けない場合は、1年たった頃に「やり方はわかったからもういいよ」、と契約の途中解除を言われることが起こってしまいます。計画の実行支援を1年で止めると、7、8割の企業は改善がとん挫し元に戻ってしまいます。ですから、信頼関係構築は非常に重要です。

「心暖士」として事業再生の現場で生きる

―事業再生の仕事に関わるようになったきっかけを教えてください。
2004年に中小企業診断士登録して、すぐに独立しました。最初から再生の仕事をしていたわけではなくて、とにかく食べていかなければいけないので、講師をしたり、税理士事務所のお手伝いをしたり、経営相談員をしたり、色々なことをやっていました。通常、独立する人は生活設計を立ててから独立するじゃないですか。私の場合、そこを考えずに会社を辞めてしまったので、色々なことをやってジタバタドタバタしていました。CRCは、事業再生の講座(ターンアラウンドマネージャー養成講座)を受講したことがご縁で、2006年に会員になりました。前職での営業経験を活かして、CRCの営業をやってほしいと言われたことが現在の仕事につながるきっかけです。

―営業とは具体的にはどういうことでしょうか?
金融機関の本部の再生支援部署を訪問して、色々情報交換をしながら、案件を受託してほしいと言われました。はじめは営業ではなく、営業支援をやりたいのだ、という話をしたところ、「お前な、中小企業診断士と言うのは、ごまんとおるんだ。うちの会員にもたくさんおるし、しかも、独立したばかりで、コンサルタントとしての実績がない。実績がない中で誰がお前を営業支援のコンサルタントとして雇おうとするんだ。全く魅力がない。リクルートで営業として活躍していたことは魅力だ。」と返されました(笑)。

―金融機関に対して営業をしてみていかがでしたか?
それまでもCRCには、営業担当者がいたようなのですが、何も営業記録が蓄積されていない。とりあえず金融機関の本部に電話をしてアポを取っていくところからでした。ただ、1年半くらいは全く案件を取れずにいました。こちらは経験不足もあって金融機関の支援担当者が話す内容も何だかよくわからないですし、なかなか話がかみ合わない。色々情報交換をしながら、信頼関係を積み上げていく中で、ポツポツ案件が出てくるようになりました。

―独立したいと考えている人にアドバイスをお願いします。
私が「独立したい」と相談を受けると、相当大変な経験もしてきたので、まずは「止めた方がよいよ」と1回は言います。また相談に来ると、「本当にそう思うの?」と念押しした上で「では、やってみたら」と言いますが、生活設計を考えるようにアドバイスしています。でも、本気で取り組むなら、誰かが必ず助けてくれます。

―岩本さんは「人柄・意欲・実績がある人にお仕事をお願いしたい」とおっしゃっていますが、その点について聞かせてください。
自分自身もそうありたいと思っています。その中でも人柄が一番重要だと思っています。学生時代に勉強ができても嫌な奴っていませんでしたか?
仕事はできる人にやってもらえばよいでしょうと思いがちだけれども、お客さんがいての仕事だからコミュニケーションをきちんと取ってもらわなきゃいかん。いくらよい提案であっても、お客さんが気持ちよく「お願いします」と思ってくれないと進みません。逆に「このやろう」と思われるとどうしようもないじゃないですか。自分が一番だと見下す感じで接しても全くうまくいかない。

―中小企業診断士としてどうあるのが理想だとお考えですか?
自分一人でできることを見極めることです。専門を極めて一人で仕事することも大事ですが、自分一人ですべて対応することが危険なことも多々あります。そういうケースでは専門性を持ち寄ってチームで仕事をする方が合理的で質の高いサービスができます。きちんと自分のチームのなかでもお客様ともコミュニケーションできて、お客様のニーズを反映できること。チームのなかでこうあるべきだというところを理解したうえで、自分で道筋をつけて提案できる人、そしてそれをフォローしていける人ですね。会社員として仕事ができる人とあまり変わらない気がします。その環境のなかに飛び込みさえしてしまえば、あとはジタバタしていればなんとかなるということが僕の実感です。ですから、覚悟さえあればできますよ。ただし診断士業界では「独立することが偉い」と思っている人が居るように感じますが、それは間違っています。組織人としての方が高い成果を上げる人もいます。人それぞれですので、自分がどうしたいのかを冷静に検討されることをお勧めします。

―中小企業診断士の知識は広く浅く、仕事のイメージがつかみにくいのですが、その点はどうお考えですか?
それは、いまだにわからない(笑)。経営についての知識を広く浅く理解している分、企業の全体を見てアドバイスすることが診断士の役割だと思っています。例えば中小企業のオーナー社長が顧問税理士に相続について相談した場合、株を分割して、税金がかからないようにアドバイスをされることがあります。でも、それは節税を考えた部分最適です。後継者が経営する際に3分の2以上の株を持っていないと迅速な経営判断が難しくなります。つまり経営という観点では顧問税理士の提案は全体最適ではないのです。分野ごとに専門家はそれぞれいますから、お願いをすればその範囲内ではきちんと仕事をしてくれます。でも、企業全体を見て差配できるのは中小企業診断士だと思います。

―中小企業診断士の仕事のやりがいを教えてください
最終的に企業がよくなって、僕らがいなくてもやっていけそうな感じになると「ああ、よかったな」と思いますね。1つの企業が生き残って、危機を脱して、さらに成長していく可能性ができたことは、すごく嬉しいことです。そこに関われたことは幸せですよね。個人メールのユーザー名を「心暖士 岩本亨」としていますが、中小企業の支援を通じて、経営改善を実現していくのに、経営者の冷めきった心を暖かくしないと進まないですよね?

(次回、後篇へ続きます。)


iwamoto_prof_s<岩本亨 略歴>中小企業診断士・ターンアラウンドマネージャー
1962年島根県生まれ、名古屋大学文学部卒業。19年間の株式会社リクルート勤務を経て、2004年中小企業診断士登録と同時に独立開業。自治体並びに民間企業向け研修講師、経営コンサルタントとしても活躍。資格の学校TAC講師。千代田区経営相談員。文京区「若手商人塾」チームリーダー。独立行政法人中小企業基盤整備機構販路開拓コーディネーター等にも従事経験あり。 2006年より企業再建・承継コンサルタント協同組合(CRC)の会員となり、中小企業の再生・承継支援に取り組んでいる。プロジェクトマネージャーとして約60社の支援実績がある。現在、CRC執行役員 推進局本部部長 東海・中国支部長。2006年合同会社産業経営研究所を設立し代表社員に就任。中小企業政策研究会の統括幹事及び分科会「岩本組」リーダー。

第8回:岩本亨先生インタビュー(後編)

第8回目は、前回に続いて政策研の統括幹事である岩本亨(いわもととおる)先生へのインタビュー(後編)です。


取材をきっかけに始まった診断士への道

―診断士資格取得のきっかけを教えてください。岩本先生とインタビューアーの松本さん、水島さん
前職のリクルート時代、TACなど資格スクールに取材したことが直接のきっかけです。2000年頃、それまで携わっていた新卒採用や新規事業の部署からスクール事業の部署に異動したんですね。営業マネージャーとしてTACの担当になりました。その部署には「お稽古や資格スクール」を取材・紹介して生徒募集する情報誌がありました。ところが、社内でその情報誌に携わる人は、取材して紹介をするだけで、その資格を取りに行くとか、学びに行くことをほとんどしていなかったのです。経験しないのにああだこうだと記事にするのは違うだろうと思ったんですね。実態はたぶん違うはずだと。自分でやってみないとわからんでしょう、ということで診断士資格の勉強をはじめました。

―診断士登録と同時に独立なさったんですよね。
リクルートにはもともと独立を奨励する社風がありました。創業者の江副浩正さんご自身が、独立するなら50歳前に独立しないと体力面でも難しくなると言って、45歳までに辞めて独立するように奨励をしていたんですね。僕がいた頃は37歳で早期退職制度「フレックス退職」があって、その年代の人がどんどん辞めていくんですよ。そうすると残った人は肩身が狭くなってくるわけです。40歳も過ぎると、何あの人、まだいるわけ?って。

―そういう雰囲気だったのですか?
直接そう言われるわけではありませんので、勝手にそう思いこんでいる部分もあったのかもしれません。周囲の同期の人たちが実際にいなくなるから、ヤバイよね、という感じが強くなる半面、独立するのって怖いなぁ、食って行けるのかしらと恐怖心を募らせていました。でもだんだん社内での居場所を失っているように感じてきて、診断士登録と同時に43歳で独立しました。

運命で結ばれていた!?遠藤直仁先生との出会い

―中小企業政策研究会の代表の遠藤先生とはいつ頃出会われたのでしょうか?
スクール事業の部署に移って1年半くらい経った時に、TACの取材対象として、クライアントから遠藤先生を指名されたのです。当時遠藤先生は税理士登録の要件である「2年以上の実務経験」を積むために、渋谷にある安斎洋子税理士事務所にいらっしゃいました。そこに取材に訪問したのです。

―初めて会った時の遠藤先生の印象はいかがでしたか?
遠藤先生が熱く語るんですよ。「中小企業を支援するために中小企業診断士が活躍しなければならない。まだまだ日本にはそういう想いを持った人間が少ない」と。先生のそんな熱意に触れて、初めてお会いした次の週には、TACの中小企業診断士講座を受講し始めました。最初の講義が遠藤先生で休憩時間に「先生、受講始めました」って挨拶しました。遠藤先生も「あっ!、あぁ~」と驚いていらっしゃいました。

遠藤先生のインタビュー動画はこちら

―TACに通われたんですか?
リクルートでクライアントでしたから他で受講するわけにもいかず、TACに通いました。でも通いはじめて1週間経った頃にすぐに後悔しました。リクルートもすごく忙しい会社でしたし、TACの方々からもチェックされますので、なんでこんなことはじめちゃったのかな、バカじゃないの俺、と思いました。

―もしその時に遠藤先生ではなくて、別の方と出会っていたら、他の資格を目指した可能性もあったのでしょうか。
ありましたね。ただ、診断士という資格自体は以前から知っていて、なんとなく取りたいなという憧れがあったので、いずれにせよ診断士を目指す流れにはなっていたと思います。

―憧れがあったというのは、診断士のどういうところに惹かれていらっしゃったのでしょうか?
中小企業の支援をする仕事なんだろうなと勝手に思っていたわけですよ。そういうのって良いよなって。

―それでは、もともとリクルートにいらっしゃるうちから、将来、中小企業を支援するようなお仕事をしたいという思いはあったのでしょうか。
そこまで明確ではありませんでした。ですから最初のきっかけは、先ほど申し上げた通りで、ちゃんと取材先の実情を知らんとダメだ、まずは自分で資格の勉強というものを体験してみようというところからですね。

中小企業政策研究会、産声をあげる

―遠藤先生のお話も出たところで政策研との関わりについてお伺いします。政策研の設立当初から関わっていらっしゃったんですか。
関わっていました。設立は僕が勉強をはじめて2年目のはずです。

―政策研の設立は2003年となっていますね。
その時は、僕はまだ勉強中で、診断士にはなれていませんでした。

―受験生時代から関わられていらっしゃったということですか。
そうです。受験生でしたが設立には関わりました。本当に小さな組織でした。

―当初は何名くらいいらっしゃったんですか。
十数名だと思います。

―どういう経緯、趣旨で作られたのでしょうか。
遠藤先生が「とにかく資格を取れ、取れと言って指導している、受験生の皆さんを煽っている、そんな中で取った後は知らないよ、では悪いよな。資格を取った後も仕事の見つけ方であるとか、そういったところまで指導したい」とおっしゃって、そういう趣旨でやろうとはじめたんです。遠藤先生もお人好しで「大きなお世話人間」ですから(笑)、自分の講座で受講生に「こういう研究会もあるからさ、合格した暁にはここに入って一緒に活動しようよ」というようなことを言いはじめたわけですよ。

今も続いていますが、毎年1月、TACの合格祝賀会の直後に、2次会と称して政策研究会の飲み会をやっているんですね。そこに合格者がたくさんやってきて。人数が増えていったんですよ。

進化する中小企業政策研究会

中小企業政策研究会(通称:政策研)では毎月の全体定例会と、14の分科会による活動を行っています。ここでは政策研のこれまでとこれからのことについて伺いました。 

―少人数で始まったということは、初めは今のようなチーム制(分科会)ではなかったのでしょうか。
チーム制ではなかったですね。運営も遠藤先生が自分ひとりで全部やろうとしていたので、もう先生いい加減にしたほうがいいよ、まわるわけないから、チームにしよう、チームにしようと周囲が言って。それを提言したうちのひとりが僕です。

―設立から何年目くらいにチームが出来たのでしょうか。
4年目から5年目だったと思います。会員数も増えて200人ほどになっていました。

―それまでは毎月200人を対象に定例会をされていたのですか。
毎月その人数を対象にして、遠藤先生がご自分でやっていましたね。

―講義をされていたのでしょうか。
そうですね。遠藤先生がご自分で話したり、先生の顧問先の社長を連れてきて話してもらったりしていましたね。それが遠藤先生だけだと、だんだんまわらなくなった。それでチーム制にしました。チームごとに責任制にして定例会をチーム企画でやるようになったんですよ。

―何チームくらいで始まったんですか。
初めは10チームくらいだったと思います。それぞれのチームが定例会の担当になって、開催したんですが、自分たちの活動の紹介の時間みたいになってしまって、それが面白くないなということから、それなら会員が自ら定例会企画を提案するコンペにしてしまえという話になって、今のような企画提案コンペ形式になりました。

コンペはどなたの発案ですか。
私が提案しました。振り返ってみてここまでは良かったと自画自賛しています(笑)。一方で私自身、設立された2003年からずっと関わってきていますし、統括幹事という役割もずいぶん長く務めてきましたから、もう世代交代しないといけないと思っています。組織承継が必要だと、そういう話を幹部会でしているところです。そうでないと研究会として発展していかないですよ。

―チームといえば分科会として「岩本組」を主催されていらっしゃいますが、どのような組なのか教えてください。
どんな組か?みんなで切磋琢磨できるといいよねという僕の考え方を基に、テーマを全く限定せずに活動しています。たとえばCRCでは扱っていない事業再生・事業承継以外の案件も、ここで皆さんと一緒にやりたいと考えています。独立診断士に限らず、企業内診断士の方であっても時間の都合をつけて参加できるのなら、一緒にやりましょうということでやっています。

―どういう方が集まっているのでしょうか。
岩本は怖そうだけど、何かそこで活動すると実務に近づけそうだという(笑)、そういう人たちではないでしょうか。

―中小企業支援の現場に入っていきたいという方が多いのでしょうか。
現場を体験したいという人が多い気がしますね。それほど新人の勧誘活動はやりません。ですから、入ってこようという方には意欲のある方がすごく多いです。みんな本当に優秀です。

―お正月の時でしょうか、岩本組の皆さんが紋付き袴でバン!とお座敷に集まっている写真を見せていただいて、岩本組はそのイメージがあります(笑)。
そうです。そういうイメージで怖さを打ち出しても、その悪戯心を面白そうかなと感じる変な人が集まる、そういうところです(笑)。

―政策研の魅力を教えていただけますか。
定例会の内容がすごく良くなっていると感じています。今年のコンペ企画、すごくレベル高いんですよ。

―我々は入会して1年目なので、まだ今年度しか知らないのですが、定例会の企画だけではなく、分科会の活動を通して、皆さんの前向きな雰囲気を感じられるだけでも面白いな、と刺激をいただいています。
そうだと思います。コンペには誰でも参加できますので、通常の定例会では自分が提案した企画で学びたいことを学ぶことができます。定例会とは別に、様々なテーマで活動している14の分科会もありますから、自分で勉強したい分科会に参加して、どんどん自主的に活動していけばいいわけです。今、会員数は350人くらいの、一大勢力ですので、ネットワークを活かしていろいろなことができると思います。口を開けて待っていても何も起こらないですから、受け身にならずに自分で積極的に関わり、ひっぱり、提案してやっていくとか、そんな自発的なかつ積極的な活動をしながらお互いに切磋琢磨していきましょうという、それができることが政策研の魅力かなと思います。

―政策研のメンバーと集まるとどういったお話をされるのでしょうか。
支援先には様々な業種がありますから、ある領域からは専門性が高くなります。政策研でも独立されている方とは自分の専門分野の話になりますね。ある業界に詳しい方がいれば、一緒にやろうよというように。一緒に研究会活動をしていると同じ釜の飯を食っているみたいになりますし、様々なバックボーンを持った方々が集まっていますから、いろいろな話ができますね。こうしたネットワークは大切ですよ。思いつきで異業種交流会に出たりするよりはよほど有益だと思います。

一緒に学んでいるというのは大きいですよね。
そうそう、一緒に苦労しましたとか、一緒にその都度酒飲みましたとかね。飲ませ過ぎだ、みたいな話はありますが(笑)、そういう体験の共有はどんどんやったほうがいいなと思っています。

―岩本さんにとって、政策研はどんな場所でしょうか。
診断士である皆さんにはもっともっと活躍してほしいし、活躍しなくてはいけないと思います。ニーズはたくさんあるのにそれに対応できていないなという意識を持っているので、そういうところを目指して、みんながお互い成長し合える場所にしたい、そういったことを実現できる場所であればいいと思っていますね。

これから診断士の道を歩む方々に向けて

 ―これから新たに政策研に入会する方たちへの期待を聞かせてください。
皆さん、苦労して資格を取られますよね。資格を取ることを目標にしている人はそんなにいないはずで、何かしたいことがあるから取ろうとしたと思うんですね。ですから、何をしたかったのかということを振り返って考えてみてもらって、それを政策研で実現していくということを考えてもらいたいですね。ひとりで出来ないことを政策研のなかでやってみる、そんなきっかけになるといいなと思っています。

―最後に、これから診断士になる方への期待を聞かせてください。
一緒にやりましょうよ、仕事はいくらでもありますからということですね。もちろんそのためにはきちんと仕事に見合う実力を持っていないと無理ですが、勉強しながら、共に成長しながら一緒にやりましょう。切磋琢磨、お互い競い合いながらやっていきたいですよね。私自身も日々努力していかなければと思っています。

 ―本日は診断士や政策研の魅力についてご紹介しました。皆さん、来年度から診断士としてぜひ政策研で一緒に活動していきましょう。お待ちしています!

 


記事作成&インタビュー担当(岩本先生のプロフィールは、前回記事を参照)

松本典子(まつもと のりこ):
神奈川県鎌倉市出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業後、国際基督教大学大学院で教育学を専攻。介護事業運営会社に勤務。人事として、従業員が働きやすい職場づくりを目指して働いている。2016年中小企業診断士登録。神奈川県診断協会所属。

 

 

 

水島 壽人(みずしま ひさと)のプロフィール写真水島 壽人(みずしま ひさと):
大日本印刷㈱勤務。出版印刷事業分野の営業職として、主に書籍の製造や販促に従事。仕事の傍ら、2011年より東北の復興支援活動に携わっている。2016年中小企業診断士登録。ターンアラウンドマネージャー。神奈川県診断協会所属。

2016年度2次口述対策セミナー

2016年度2次口述対策セミナーのご案内

2次口述試験に挑む受験生の皆さまへ

私たち「中小企業政策研究会」は、受験生の皆さまが自信を持って2次口述試験に臨めるよう、2次口述対策セミナーを企画しております。当セミナーでは、2次口述試験の概要紹介に加え、想定質問による模擬面接を行います。模擬面接においては、当会会員が試験官となって皆さまに質問をしますので、当日の口述試験の雰囲気を味わって頂けます。また、当日は「口述想定問答集」をお配りしますので、併せてご活用頂ければ幸いです。
毎年、大好評をいただいております。最後の準備として是非ご活用ください!

5つの特徴

  1. 習うより慣れろ!2次筆記試験合格発表後、最速で模擬面接!早めに失敗を経験できます!
  2. 350人を超える日本最大規模の診断士研究会が主催する2次口述対策セミナーです。
  3. 準備ゼロで参加OK!もれなく「口述想定問題集」を無料プレゼント!
  4. 模擬面接では、自分の練習はもちろん、他の人の面接の様子も見ることができます。
  5. 先輩診断士と知り合いになれる!2次口述試験のことはもちろん、合格後のプロとしての話も聞けちゃいます!

開催概要

【2次口述対策セミナー】
日時: 2016年12月10日(土)
 第1部:13:10~14:50(受付開始は13:00-)
 第2部:15:10~16:50(受付開始は15:00-)
 ※第1部と、第2部は同じ内容になります。どちらか一方にご参加ください。
会費:無料
参加資格:平成28年度中小企業診断士第2次筆記試験の合格者
内容:
 企画① 2次口述試験とは!?試験概要、注意点、残り1週間ですべきこと等試験のイロハを教えます。
 企画② 模擬面接
場所: 京橋プラザ区民館(多目的ホール) 銀座1-25-3
 (都営浅草線宝町駅A1出口、有楽町線新富町駅2番出口)
 ※京橋プラザ区民館は「中央区 京橋区民館」とは別の建物です。お間違いないよう御来場ください。
 

【懇親会】
時間:2016年12月10日(土) 17:00~19:00
会場:やるき茶屋 銀座一丁目店(https://www.hotpepper.jp/strJ000116692/)
会費:3,000円

応募方法

以下の申込み用リンクから参加申し込みをしてください。
 第1部:13:10~14:50 申込みは終了しました
 第2部:15:10~16:50 申込みは終了しました
 
2次口述対策セミナー開催は合格発表の翌日となります。今年は申込みから開催までの期間が非常に短くなっていますので、ご注意ください。例年、2次筆記試験の合格発表日(12/9)の午前中に応募が殺到します。満席になりますと、参加いただけません。ぜひ、手帳等に今のうちからメモしていただき、合格確認後、お早めにお申し込みください。

中小企業政策研究会とは?

2015_koujutsu_pictureそもそも、政策研究会ってどんなところ?と思われる方は、今期の受験生向けに特設ブログを公開中です。興味のある方は、こちらから♪

第9回 受かる前に知っておけば良かった中小企業診断士あるある5選

初めまして、中小企業政策研究会 会員の仲田俊一です。

受験生のみなさん二次試験お疲れさまでした。筆記試験の結果が不安でしょうが、とりあえず今は“果報は寝て待て”、1年間集中した頭と体を休めたり、ご家族への奉仕に時間をあててください。

なぜ、こんなことを言うかと言うと、実は合格後の1年生の中小企業診断士、めちゃくちゃ忙しいんです!私も合格してびっくりしました(笑)。今回は、趣向を変えて診断士1年目の私が伝える、受かる前に知っておけば良かった中小企業診断士あるある5選をご紹介します。
これを知っていれば、診断士1年生の忙しさを事前に準備ができるのでうまーく乗り越えられると思います!

第1選 意外と少ない「実務補習の日程」

一次試験、二次筆記試験、二次口述試験の山々を踏破した者たちにとっての、中小企業診断士への最後の山、「実務補習」。二次口述試験に受かって、すぐに中小企業診断士になりたかった私は、実務補習の日程をみてびっくり!
「え!これしかないの?」
ちなみに2016年の日程は(2月、3月、7月、8月、9月)詳しくは、こちら
試験に受かることに全力を傾けていた私には、実務補習の日程を事前に調べる気持ちの余裕なんて全くなかったため、その日程に大事な仕事を請けてしまい、最初の2月と3月の実務補習が全く受けられなくなってしまいました・・・・
2017年2月・3月の実務補習日程も掲載されていますので、今の余裕があるうちにチェックをして、日程の調整ができるところは今からしておくと良いと思います。

第2選 研究会やら勉強会やらがびっくりするぐらい多い

中小企業診断士同士の研究会や勉強会がたくさんあります。合格すると、東京協会では春に新しい会員(会員見込み者)向けのスプリングフォーラムというイベントが開催され(他の協会でもあると思います)、そこでは協会の説明だけではなく、いろいろな研究会や勉強会のお誘いを受けます。そこはまるで、「上京したての大学一年生がサークル勧誘を受ける」かのように、いろいろなブースから積極的に説明を受けます。
それぐらい、いろいろな分野の会がありますので、自分の興味がある分野や縁があったところにぜひ参加してください。私も診断士になるまでは、あまり勉強会や研究会というものに縁がなかったのですが、実際に参加すると多くの先生からいろいろなお話を聞けたりして、とてもためになり、その幾つかは私の仕事にフィードバックできています。
研究会の候補に、ぜひ我が中小企業政策研究会を入れてください!(政策研のアピールは誰かがすると思うので内容は割愛します)

第3選 人脈がびっくりするぐらい増える

協会に入って研究会にもいくつか入るといろいろなイベントや集まりに呼んでいただけます。そこには多くの中小企業診断士の方々がおられて、人のつながりがすごい勢いで広がっていきます。私も受験生の時に、受験校の先生方から「診断士受かると、人脈広がるよ!」とは言われていましたが、「こんなにか!」とびっくりするぐらいです。
そこで、合格者にはぜひ準備していただきたいのが、個人の名刺。なるべく自分の写真がついているものが良いです。 大勢の交流会で、名刺交換をすると受け取った方は「誰がだれだかわからない!」状態になります。特に一年生は多くいると覚えてもらえないものです。そこで、自分の名刺を作り”自分の得意分野”と”写真”を入れると、先輩の先生方が振り返った時に思い出しやすくもなりますし、もしかしたらお仕事をご紹介していただけるかもしれません。合格したら、すぐにご準備ください。
それと、もしFacebookに登録をしていない方がいましたら、すぐに登録してください。私の周りの診断士の仲間たちのFacebook利用率もとても高く、研究会の情報もFacebook上でやりとりをすることも珍しくありません。

第4選 同期の優秀さとアクティブさに焦る

せっかく中小企業診断士になれたのだから!と多くの研究会に参加するとびっくり。しょっちゅう会う人が現れます。ここの研究会にはいないだろうと思うと、そこにも!
さらに夏ぐらいになると、早速、診断士として執筆を始めた同期やコンサルティングの現場で活躍をし始める同期も出てきます。あるいは自主セミナーまで開催する者まで。
それは当然なんです。忙しい普段の仕事の合間をぬって、あの難しい試験をくぐり抜けた人たちなので、パワーを持っている人が多いからです。でもあまりそれに惑わされないでください。やはり自分の生活が大事ですので、焦らず、少ない研究会の参加で人間関係をじっくり作っていくのも一つの診断士活動です。

第5選 でも意外にやることのない1〜3月

第4選までいろいろと書いてきましたが、一方で何気にやることがないのが、合格した年の1月〜3月。特に私みたいな実務補習をこの時期に受けられない人は、受かりたてでテンションが高いのに何をして良いのかが全くわからない日々。研究会に誘ってもらえるのも、第2選でお伝えしたスプリングフォーラムからなので・・・・
でも大丈夫!我々、中小企業政策研究会では1月より新入会員の受け入れに力をいれております!
せっかく合格したのに、何をやって良いのかがわからない!という方、ご参加お待ちしております〜

その前に、中小企業政策研究会の口述試験対策にもぜひお越しください!


Prof_Nakata仲田 俊一(なかた しゅんいち):
1978年茨城県出身。千葉大学大学院自然科学研究科卒業。2016年中小企業診断士登録。現在は開業し、中小企業向けのWEBサイトのコンサルティングとシティプロモーションと商店街支援の分野で主に活動。
写真のキャラクターは私がプロデュースしている商店街のマスコットキャラクター「ホシーワン」
http://blog.livedoor.jp/hosione/

2016年度11月定例会 活動報告

2016年11月度の定例会についてご報告致します。

11月度定例会は、中小企業政策研究会のビジネスモデルカフェの代表を務める木下忠会員の企画として、

『下町ロケットに学ぶ中小企業の知財経営戦略』

と題して、今さら聞けない知財の基礎的な知識から、中小企業経営の知財経営戦略に実際役立つような情報まで、池井戸潤原作の「下町ロケット」のエピソードに沿って講演を行っていただきました。

エピソード:競合大手メーカーから特許権侵害で訴えられる%e5%86%99%e7%9c%9f-2016-11-15-19-03-21

多くの企業が競合他社に特許権侵害で訴えられる可能性があります。そして、従来の製造業とは異なり、IT・IOT(Internet of Things)・AIのような新しい分野では特許が成立しやすいため、訴訟リスクは高いと言えます。
そもそも、何を目的に企業が訴訟を起こすのか、意図を理解する必要があります。「訴訟による顧客離れ→資金繰り悪化→企業買収」が目的かもしれません。
技術開発や特許権を実施せずに、ライセンスや訴訟で稼ぐ「パテントトロール」とよばれる企業が存在しますので、それへの対応も必要です。

エピソード:研究開発の意義が社内外で理解されない

研究開発の意義は、経理担当者や銀行の融資担当には理解しにくいものです。実際、知財は無形固定資産なので、その価値は分かりにくく、そして特許を取っている中小企業は全体の13%にすぎません。
しかし、中小企業にとっての知財とは「うちに秘めた潜在能力」であり、それを特許という形で見える化、権利化することが重要です。実際、特許を取っている企業の方が収益性もたかく、顧客への価値提案の可能性も高まり、ステークホルダーや市場・チャネルへの訴求力もあると考えられます。

エピソード:何故、技術力の高い佃製作所が訴えられたのか?

%e5%86%99%e7%9c%9f-2016-11-15-20-03-44特許は、特許出願の記載内容がすべてです。技術が高いから特許が良いわけではありません。特許請求は技術を全て文字で表現しなければならず、範囲を明示するのは非常に難しく、実際の権利範囲は取得したい範囲よりも狭くなりがちです。結果、自社の改良特許を取ろうとしたとき、既にその領域は他社の特許が押さえているために、改良特許が取れない可能性があります。そうならないためには、「抽象度を上げて概念化して特許出願を記載し」、できるだけ権利取得範囲を広くとれる工夫が必要です。
実際ダイソーで発売された「ペットボトルの上に載せる新幹線型の鉛筆削り」と、「それよりも前に出願したであろう個人が取った鉛筆削りの特許」を比較してみて下さい。

エピソード:オリジナリティが重要なのか?

特許は紙に書かれていることが全てですから、そこに特許範囲が明記されていることが重要です。また、国ごとに特許は異なるため、権利は各国で申請する必要があります。特許侵害を防ぐためには、各国で同じように出願する必要があります。
また、他社の特許権を回避する方法として、「購入する」以外にも、「当該特許無効の申し立てをする」、「使用許諾を得る」、「クロスライセンスを結ぶ」、「先使用権を確保する」等が考えられます。

共同開発:大企業の心をつかむための秘策

共同開発は、大企業の心をつかむための秘策と言えます。しかし、自己実施しなければ、大企業に利用されるだけに留まる可能性が高いです。そうならないために、
 ・成果物は共有であることに留意し、実施しない場合のマネタイズ方法を検討する。
 ・大企業との交渉力は、共同開発前が、後に比べて高い傾向があるので、事前に検討する。
 ・知財の取扱いは事前に契約を結び、極力基本技術は自社で押さえる。
ことをお勧めします。

競合企業「この設計図のデータを預けてくれないか?」

知財は、特許としてだけでなく、ノウハウとして保護することも重要です。そのためにも、「秘密管理性」といった「不正競争防止法」の基本的な知識は理解しておくことが重要です。

また、知財権を活用したビジネスモデルとして、基本製品を低価格で販売し消耗品を特許権で抑える「プリンターモデル」、基本特許は自前、周辺は共同開発をおこない市場の普及を図る「オープンクローズ戦略」といったものが考えられます。


以上が、当日の木下忠会員のプレゼンテーション内容になります。

プレゼンテーションの途中では、ダイソーで発売された「ペットボトルの上に載せる新幹線型の鉛筆削り」と、「それよりも前に出願したであろう個人が取った鉛筆削りの特許」を比較し、「鉛筆削りの特許」の記載上の問題点を参加者でディスカッションしました。それにより、特許を記載する上での留意点をより深く理解することができました。
「下町ロケット」という身近な題材によって、今後中小企業を支援していく上で知財権は避けて通れない問題であること理解すると同時に、一次試験知識の重要性を改めて感じた一日でした。

以上

第10回:口述試験対策と合格後の研究会の利用の仕方

はじめまして。中小企業政策研究会 会員の坪井僚子と申します。

【口述試験対策】

もうすぐ口述試験ですね。1年前を思い出します。私が当研究会に入ったきっかけは、口述試験対策の模擬面接でした。
二次試験が終わった後、試験後の安堵と記述内容の反省が頭の中でぐるぐるしながら、ぼーっと帰り道を歩いていたところ、会場の出口でいくつか口述試験対策のチラシをもらいました。家に帰って広げてみると、その中に一件、模擬面接が無料のところがありました。それが中小企業政策研究会です。
「政策?研究会?資格学校でもなさそうだし、何してるとこなんだろう?何で無料なんだ?あ、怪しい…」と思いましたが、「一回くらい模擬面接しておかないと。無料らしいしまあいいか」と申し込んだのでした。
口述試験対策に来てみたところ、結構な人数が参加していて驚きました。グループごとに模擬面接をするので、自分を客観的に見られたり、他の人を見て「こういう答え方があるのか」と勉強になったりしました。模擬面接と丁寧なフィードバックのお陰で本番はあまり緊張せず受ける事ができたと思います。
そして、診断士に合格すると、勉強会や研究会の名で、情報を交換したり知識を深めたりする様々な集まりがある事を知りました。(合格前は全然知らなかったので怪しいと思ったのです…)
今、皆で来月の口述試験対策に向けて準備をしているところです。去年自分がお世話になった分、今年の受験生のお力になれればと思います。是非活用してください。

【合格後】

私はほぼ独学だったので勉強仲間が一人もいませんでしたが、口述試験対策後の懇親会で友達がたくさん出来ました。なんだか楽しかったのでそのまま入会した訳ですが、入会していなければかなり違った1年になっていたと思います。得られる情報量が違うからです。

「診断士になったら自分みたいに創業する人のお手伝いができたらいいなあ」と漠然と思っていましたが、やはり合格するまでは試験に夢中で、その先は実はあまり考えていませんでした。でも、合格して周りを見てみると、「何ができる診断士か」を明確にする事が必要だと実感しました。創業、経営革新、事業再生等、企業のどの時期の支援が得意なのか。また、どの業種、どの分野が得意なのか。
私の専門は製造業なので、それを強化する為にまずプロコン塾(各支部等が管轄するプロのコンサルタント養成塾)に行こうと思いました。プロコン塾もたくさんあって、選択が難しいのですが、研究会の先輩に「この分野で有名な先生は誰ですか?」「こういう事をやっていくのに最適なプロコン塾は?」「このプロコン塾の評判は?」等々、色々と聞きまくりました。結果、納得いくプロコン塾を選びました。
そうして研究会でセミナーや先輩方の話を見聞きしている内に、事業再生分野に興味が湧いてきて、9月にはターンアラウンドマネージャーという事業再生に関わる資格を取りました。研究会には色々な方がいます。「こんな事をやってみたい」と言った時に、「この資格取るといいよ」と教えてくれたのも研究会の方でした。そこでは勉強できただけでなく、参加していた信金さんとご縁ができて、先日はお互いのお客さんのマッチングが実現しました。

合格したはいいけれど何をしたら良いかわからず、1年目は無為に過ごしてしまったという話もよく聞きますが、私は合格後すぐ当研究会に入会し、早い段階で色々な情報に触れ、色々な人とご縁ができたお陰で充実した1年目となっています。今年度受験生の方にもお勧めします。


tuboi_mini坪井僚子(つぼい りょうこ):
1980年生まれ。埼玉県出身。文化服装学院卒。
中小企業診断士(2016年5月登録)・ターンアラウンドマネージャー。
アパレルメーカーで9年間技術職勤務後、コンサル会社で商店街支援を経験し、独立。下着や介護関係製品の製造・販売、ブランドのプロデュース等をしています。今後はコンサル業に力を入れて、アパレルの事業再生等をしていきたいです。
好物はバウムクーヘンです❤

 


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