2015年7月度定例会の風景

2015年7月度の定例会についてご報告致します。

7月度の定例会は、FATチームの稲垣秀行会員、山下貴久会員、池ヶ谷洋太会員より「『ヒト』の価値はいくら?」というテーマで講演いただきました。 

はじめに、「ヒト」は経験を積む事で価値が上昇し、「ヒト」・「モノ」・「カネ」・「情報」の経営資源の一つであるが、現在の会計ルールでは「ヒト」は「費用」としてしか認識されないため、「ヒト」の価値はいくらであるかと問題提起をされました。その「ヒト」の価値について考えるために、第1部「『あなた』に会社が払っている費用はいくら?」、第2部「『ヒト』に会社が払っている費用はいくら?」、第3部「『ヒト』の価値はいくら?」について解説されました。

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第1部「『あなた』に会社が払っている費用はいくら?」(山下貴久会員)

「あなた」に会社が払っている費用として、給与支給明細書と源泉徴収表の内容と合わせて、給与支給明細書では表示されない会社が支払っている費用である健康保険、厚生年金、労働保険、雇用保険、介護保険について説明をいただきました。

 

第2部「『ヒト』に会社が払っている費用はいくら?」(池ヶ谷洋太会員)

 「ヒト」に会社が払っている費用を確認するために、はじめに「ヒト」に関わるプロセスを確認した上で、そのプロセスに沿って、支払われている費用について説明をいただきました。「ヒト」に関わるプロセスは「採用」→「福利厚生」→「教育」→「昇給」→「退職」であり、それぞれのプロセスでは以下の費用が支払われています。

・「採用」

  • 求人広告や人材紹介会社等の採用手段への利用料
  • 書類選考や面接等の選考にかかる人件費

・「福利厚生」

  • 従業員を定着されるために住宅手当や資格取得手当や扶養手当等の福利厚生費

・「教育」

  • OJT利用時は指導者の効率性低下による人件費(機会損失)
  • Off-JT利用時は講師への報酬費用、場所代、参加者の人件費(機会損失)

・「昇給」

  • 昇給による増額される人件費
  • 賞与

・「退職」

  • 退職金の規定がある場合に支払が必要である退職金(自己都合退職・会社都合退職)

その後、採用に関わる費用について学ぶためにワークを行い、ヒトのコストについては管理可能であるが、期待値(価値)については様々な変動要因があり、一概に測る事の難しさを学ぶ事ができました。また、「ヒトの価値」は考える人によっていろいろな考え方があるが、「場」と「基準」を設定することで、「数値化」は可能ではないか?という投げかけをされました。

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第3部「『ヒト』の価値はいくら?」(稲垣秀行会員)

最後に、「人材価値」を「人材の量」・「人材の質」・「戦略と組織」から算出するFAT式「ヒト」の価値の公式を説明いただき、非常に考えさせられる内容でした。「ヒト」とは、切っても切れない存在でありながら、診断士試験時代では深く取り扱われることが少なかった「ヒト」資産について、その重要性を再認識することができ、今後の企業診断にも活かせる貴重な時間となりました。

 

【今後の定例会日程】詳細は後日掲載いたします

8月度定例会 8月11日(火)19:00~21:00予定

テーマ名:サッカーを通した地方創生~J3リーグ:福島ユナイテッドFCの挑戦 

9月度定例会 9月15日(火)19:00~21:00予定

テーマ名:バリュープロポジションキャンバス体験会