活動報告:2026年5月度定例会

開催日  2026年5月30日(土)15:00~17:00 
 
テーマ  『続・現役メガバンカーによる『銀行からの資金調達』入門』

発表者  南 雄一郎 会員

 

講演内容の要約:

中小企業政策研究会 2026年5月度定例会
『続・現役メガバンカーによる『銀行からの資金調達』入門』議事録サマリー

 

エグゼクティブサマリー

本定例会は、銀行員として審査部等での長年のキャリアを持ち、現在は「ガードバンカーズ」のリーダーを務める南氏が、銀行融資審査の裏側と実効性の高い業績計画の策定術について解説したもの。 南氏は、中小企業診断士がクライアントの資金調達を支援する際、銀行の「本音」を理解し、「貸したお金が確実に返ってくること」を証明する計画書を作成することの重要性を説いている。本報告では、審査の具体的な着眼点や、金融機関との戦略的な付き合い方についての提言がなされている。

 

主なポイント:

・銀行が最重視する「返済可能性」と業績計画:

銀行にとっての最優先事項は、投資自体の収益性(NPV等)よりも、「全社的な業績計画に基づき、貸したお金が返ってくるか」である。万が一、特定の投資計画がうまくいかなかったとしても、既存事業のキャッシュフローや企業の体力で返済が可能であることを示すことが、融資を引き出す鍵となる。

・審査を迅速化させる計画書の分解と根拠:

説得力のある業績計画を作るには、売上を「セグメント別」や「数量×単価」に分解し、数値根拠を明確にする必要がある。過去のトレンドや市場動向と矛盾がないかを検証し、さらに銀行員がそのまま分析に使えるレベルまで詳細化して提示することで、審査のスピードと信頼性が飛躍的に高まる。

・「コンチプラン(代替案)」によるリスク管理:

理想的な計画だけでなく、業績が振るわなかった場合の「コンチプラン」を説明できることが理想である。人件費の削減、不採算店舗の撤退、代表者の個人資産による補填など、最悪の事態を想定した「倒産させないための対策」を共有しておくことで、銀行は安心して支援を行うことができる。

・金融機関の特性に応じた戦略的活用:

メガバンク(広域・高度な提案)、地方銀行(地域密着・メイン化)、信用金庫(小規模・機動力)、政府系(政策的補完・劣後ローン等)には、それぞれ異なる役割とカラーがある。企業の成長段階やニーズに合わせてこれらを使い分け、「嘘や隠し事をしない」誠実な情報開示を徹底することが、長期的な信頼関係の構築に不可欠である。

 

以上