活動報告:2021年5月度定例会

2021年5月度の定例会は、仲田俊一会員による企画『スマホでレッスン(講義)動画を作ろう!』を開催しました。今回もZoomによる開催でしたが、多くの会員に参加いただきました。

 この企画の講師を務めていただいたのが、映画制作体験プロデューサーである渡川(オリカワ)修一先生です。オリカワ先生は、動画制作セミナーを多数行っており、とても高い評価を得ています。書籍「iPhoneで作ろう ビジネス動画の教科書」を出版するなど、プロフェッショナルなご活躍をされています。本日はスマホによる動画作成のポイントを優しくわかりやすく教えていただきました。

リアルのセミナー講師をされていた時代は高い評価を受けていたオリカワ先生でしたが、オンデマンドの動画講義を作成して世に出した途端、著しく低い評価を受けてしまいました。なぜだろうと悩んだ末、わかったことがありました。それは、内容が悪いのではなく、「見せ方・伝え方」が悪かったということに。

現在、世の中の講義・講座は3つの種類に分類されます。
・リアルな対面講義
・Zoomでのリアルタイム講義
・オンデマンドのオンライン講義
それぞれの種類で、講義を受ける場所と時間の主導権が、講師と受講者のどちらになるのかを表したものが下の図になります。

オンデマンドのオンライン講座は、場所、時間ともに受講者に主導権があるタイプですが、当初の講義はリアルな対面講義をそのまま動画撮影しただけのものであったため、受講者にとって見にくく聞きづらい、内容が覚えづらいものになってしまっていたということです。

今の時代、オンデマンドの動画講義のほとんどは、パソコンではなく、スマホでみる時代になっています。
受講者はスマホで講義を寝転がって見ているかもしれません。また電車の中など騒音の中で見ているかもしれません。夜中に15分だけ見て、続きはまた明日というように細切れに見ているかもしれません。このような受講者視点で動画を構成するという意識がとても大事になってきます。

 

■ 動画の構成のポイント
動画の構成は、細切れにすること、どこから受講者が見てもその内容が初めにわかるようにイントロを入れること、「前に説明したように〜」という表現は避ける(受講者は最初から一貫して見ていない可能性がある)などの点があります。とにかくしつこいくらいに講座の説明を入れていくことを意識してください。

 

■ 見せ方のポイント
自分の伝えたいことをどう見せるかのポイントは以下の5点です。

① 講師の容姿
講座の内容によって服装を決めましょう。あまりにも硬い感じになって、「会社の研修みたい」と言われてしまわないように。

② 講師の構図
カメラの位置と照明に注意しましょう。
部屋の天井の灯りだけでは顔面が暗くなりがちです。顔に当てるライトがあると良いでしょう。
またカメラの位置が下すぎる、顔に近すぎると怖い感じになってしまいますので、適度な距離を保ちましょう。

講師の構図のポイントは、上から3分の1の位置に目線がくる高さにカメラを置くことです。これが最も良いバランスに見せることができます。

③ 部屋/背景
背景にはできるだけ専門的な空間を演出できるものを使いましょう。
デフォルトで用意されているバーチャル背景ではやっつけに見えてしまいます。

④ 話し方
オンライン講座での最も不満が多いのは「音声」です。良いマイクを使ってうまく話すことが重要です。
パソコンから1メートル以内程度ではっきり話すこと。
エアコンや時計の音などの雑音を無くしましょう。
自分の声質を確かめて、気になる点があれば意識をして話すようにしましょう。

⑤ スライドの見せ方
スマホで視聴することを念頭に、文字は大きめにしましょう。
コツとして、32ポイント以下の文字は使わない、できるだけ改行しないで書くことです。

 

■ 動画編集
動画編集のアプリは無料のもので十分です。困ったら以下のものがお勧めです。

撮影の失敗を編集でなんとかしようとか、編集でかっこよくまとめようとは考えないこと。初心者ではなかなか難しいです。
ナレーションを入れるとわかりやすい動画になります。入れる場合は文字のフォントや大きさを統一し、入れる位置も同じ場所にしましょう。

Youtubeは動画作成の良い教材になります。人気のYoutubeの動画では、やはりサムネイルが綺麗です。Youtubeはサムネイルが命といっても過言ではありません。売れているYoutuberの動画を過去のものと比べて見て見ましょう。彼らがどのように工夫してきたのかが分かります。

ということで、最後にオリカワ先生からもう一度。
「今の時代のいいレッスン動画とは、スマホでストレスなく視聴できる動画のこと!みなさんもぜひいいレッスン動画を作ってください」
とうことでした!ありがとうございました。