第6回:診断士2次試験終了から1年後の世界

皆さん、はじめまして。中小企業政策研究会会員の和田純子と申します。

10月23日に中小企業診断士の2次試験が終了してから10日ほど経ちました。

2次試験を受験された人は、自分の再現答案を作成した後に、今まで我慢していたこと(家族との旅行、友達との食事、1人での読書など)を思いっきりやって、リフレッシュしている頃でしょうか。それとも、「あの解答でよかったのかなあ」と、もやもやした毎日を過ごしている頃でしょうか。

私が中小企業診断士試験の勉強を始めたきっかけは、岡山から東京に出てきて5年経ち、30歳半ばになった頃に「何の取り柄もない私がこのまま会社に勤め続けると、私のこれからの人生はどうなっていくのだろう」と不安になったことからでした。試験勉強をしていくうちに「日本には素晴らしい中小企業がたくさんある。中小企業を支援する仕事を本職にしたい」という気持ちに変わりました。

中小企業診断士の2次試験に合格したら、できるだけ早く会社を辞めて、個人事業主になろうと決めていました。独り身なので、最初は中小企業診断士の仕事だけで食べていけなくても、コンビニでアルバイトしながら仕事をしていくのでもいいので、できるだけ早くスタートしたいと思っていました。

よく「思い切ったことをするね」と言われますが、私のモットーは「思い立ったが吉日」と「後悔しない人生を過ごすこと」。人生、いつ死ぬかわかりません。明日、不慮の事故に遭って亡くなる可能性だって、ゼロではないのです。だったら、「やりたいことに向かって、すぐに行動しましょう」というのが私の考え。

そんな私が2次試験の合格発表の日から怒涛のように過ごしてきた11か月について、箇条書きになりますが、ご紹介いたします。

【2015年12月】
・合格発表の日、インターネットで自分の受験番号を確認した後に、Facebookで診断士試験合格を報告。
・合格発表の翌週に、会社の年度末の面談で、上司に診断士試験合格と来年3月で退職する旨を伝える。
・予備校の先生、先輩・同期からのおめでとうコメントに返信しつつ、口述試験対策に励む。
・先輩から受け継いで、口述試験当日は口述オフ会(東京)を主催。同期合格仲間と情報共有を図る。
・先輩に某受験支援団体の書籍の執筆メンバーに推薦していただき、キックオフに参加。
・年末に岡山に帰省し、実家の両親と妹に診断士試験合格と会社を退職して個人事業主になることを報告。

【2016年1月】
・予備校の合格祝賀会に参加。お世話になった先生たちにお礼を言う。たくさんの同期仲間ができる。
・診断士の先輩にお祝いの食事会を開いていただく。多年度受験だった私もやっと診断士の仲間入り。
・1月下旬から実務補習の準備。会社には、実務補習の平日は有休を消化させてもらうことの許可を得る。
・受験時代にウェブや交流会で知り合った診断士の先生の事務所に診断士合格&独立のご挨拶に行く。
・受験時代からお世話になっている先生が開講しているマスターコースの事務局を引き続きやらせていただく。

【2016年2月・3月】
・会社勤めと実務補習の毎日。体力勝負。実務補習のメンバーが優秀な人ばかりで、プレッシャーを感じる。
・班長を経験させていただく機会もあり、3月中旬、5日×3社=15日の実務補習を修了。
・3月末日で建設サービス業の会社を退職。

【2016年4月・5月】
・中小企業診断士登録。東京都診断士協会の三多摩支部に入会。
・管轄の税務署に開業届を提出し、独立診断士としての人生がスタート。
・ご縁により、某公的機関に週何日か勤務する(1年契約)。これで独立最初の安定収入を確保。
・先輩診断士から、ものづくり補助金の申請書類作成、診断士予備校の問題作問、某市の中小企業へのヒアリング調査などの仕事を受ける。
・診断士の研究会やマスターコースの紹介イベント「スプリング・フォーラム」に参加。
・診断士として執筆の勉強&実務ができる「取材の学校」を受講(4月・5月の日曜に全7回)。
・「スプリング・フォーラム」で興味がわいた研究会のうち、数カ所の研究会に見学に行き、入会。
・研究会の枠で、雑誌「企業診断」の執筆チームに参加。

【2016年6月~8月】
・「取材の学校」経由で、執筆(取材を含む)の仕事を数件させていただく。
・某団体に登録し、ものづくり補助金の外部検査員の仕事をさせていただく。

【2016年9月・10月】
・この頃に、6月、7月に取材・執筆した自分の記事が雑誌として世に出る。(3か月くらいスパンがある)
・研究会内で、90分の自主講座を開催。(90分も人前で講義をしたのが初めてで、緊張しました)
・事業承継を専門とした中小企業診断士になるために、9月のシルバーウィークに事業承継の某講座を受講。
・事業承継専門の先生のところで修業させて頂けるようになり、自社株価評価システムの入力業務などを行う。
この他に、先輩診断士や同期仲間との企画の打合せや飲み会が加わります。勉強のためのセミナー参加も多いので、お金もどんどん飛んでいきます・・。とにかく独立1年目は出費がかさみます。会社員のうちに、しっかり貯金しておきましょう。

中小企業診断士になると、様々な仕事のチャンスが巡ってきます。ただし、じっとしていてはチャンスをつかめません。自分からチャンスをつかみにいくのです。診断士受験生の皆さんも、自分からチャンスをつかんでいってくださいね。吉報が聞けるのを楽しみにしています。

和田純子和田 純子(わだ じゅんこ):
岡山県岡山市生まれ。地元の大学を卒業後、建設会社に入社。28歳の時に上京し、建設サービス会社でマンション購入者向けの工事ドキュメントや住宅設備機器の取説の作成などを手がける。2016年4月に中小企業診断士登録と同時に開業。現在は、公的機関で助成金の推進、補助金の検査、執筆、などを行う。また、昔飼っていた猫の名前から「まな」というハンドルネームで受験生支援団体に所属。今後は事業承継専門の診断士を目指していく。