活動報告:2021年4月度定例会

2021年4月度の定例会は、『人生が豊かになる! 【1冊30分で読む速読法】』と題し、川原茂樹会員よりご講演いただきました。Zoomによるオンライン開催でしたが、多くの会員が参加し、大変盛況となりました。

 

川原会員は、年間数百冊の本を読み、これまでに100名以上に1冊を30分で読む速読法を教えてきました。もともとは理系出身であり、半導体や電気などの専門書を読むことが多かったそうです。今回は、診断士特別バージョンということで、指示されていないことは各自で積極的にチャレンジしていくことが推奨されました。

図1

読書といえば、読みたい本はどんどん溜まっていく一方で、なかなか読書時間を確保しにくいと思っている人も多いでしょう。学校教育では、現代文などの国語の授業はありますが、読書という授業はありません。そのため、読書は現代文のように文章の隅から隅まで読まなければならないと思い込んでいる人が多いです。今回のワークを通じて、読書に対する心構えを変えることで、本を早く読めるようにします。

図2

■1冊30分で読む速読法を知る

まず、速読のコツを3つ紹介していただきました。

・期限を決める

本を読むには、期限を読むことが大切です。「まとまった時間が確保できたら本を読もう。」と思っていると、どんどん本を読むことが後回しになります。短い時間であっても本を読み、期限を決めて本を読むことが大切です。例えば、図書館で本を借りてくると、返却期限までに読まないといけなくなります。また、通勤電車に乗っている間を読書に当てることで、決まった時間と場所で読書をするというルールを作ることができます。

 

・読まない

読書を仮説検証のプロセスであることを意識することが大切です。本の内容を想像する時間を取り入れることで、問いやテーマを立てます。そして、その問いやテーマに対して答えを出すのは、本ではなく自分です。本の中にいつも答えがあるとは限りません。探すのではなく、自分で答えを出しにいこうとする姿勢が大切です。

 

・諦める

完璧を求めると上手くいきません。本の内容は、知っている内容と知らない内容に分けられます。パレートの法則のように、本の中で知らない内容はたった20%です。残りの80%はすでに知っている話です。世の中の本は、あえて知っている話を80%にしています。もし自分の知らないことだらけの本だと非常に読みにくい本になってしまいます。

また、自分にとって、意外な話と当たり前の話もそれぞれ20%と80%となっています。したがって、読書で大切な部分は、知らない内容で、意外な話といった全体のうちの4%です。この4%を読む必要があり、その他は重要ではないと心構えを変えることが大切です。

 

■実際に、1冊30分で読むワーク

STEP1 本に慣れる(3分)

いきなり本を読むのではなく、本を読む前に、問いやテーマを立てることが重要です。

・なぜその本を読もうと思ったのか。

・どんな内容か。

・明日からの行動にどう役に立ちそうか。

こういった、問いやテーマを立てることがSTEP1です。まずは、本の表紙や著者紹介の部分から内容を予測します。次に、パラパラと本を2,3周することで、キーワードを探します。今回のワークでは、随時ブレイクアウトルームにて3人ほどの班に分かれ、随時意見の交換がありました。本を読む前に、表紙などから内容を予想して持ち時間1分で発表しました。

 

STEP2 読むべき箇所にマークする(5分)

STEP2では、STEP1よりもゆっくりとページをめくりながら、読みたい箇所に付箋を貼りました。付箋を貼る箇所は、違和感や驚きがあったところです。すでに知っている箇所は飛ばし、読むことで新しく気づきや知識を得られる場所にマークをする作業です。本1冊から5箇所程度が目安でした。また、ブレイクアウトルームにおいてモヤモヤを班員と共有しました。本は隅から隅まで読むのが当たり前だと思ってきたため、本当にこれで良いのか疑問だという声もありました。

図4

STEP3 精読、要約(10分)

STEP3は精読と要約です。マークした箇所を中心に読んでいきます。その際、自分が立てた問いを意識しながら読むことが重要で、キーワードや要約を書き出しながら進めていきます。また、早く読むための手法としては、指差し法があります。指で文章をなぞりながら読むことで読む時間が早くなります。

最後は、ブレイクアウトルームの班員と本に対する問いと答え、そして明日からの自分の行動について発表し合いました。

読書において、目的や仮説を持ちながら読むということは、時間短縮繋がることに加えて、文章の強弱を感じとり、効率よく内容を吸収することができると思いました。短い時間でしたが、多くの学びがあった定例会となりました。

 

以上。