私達は企業の未来をアシストする中小企業診断士のプロ集団です。

開催案内:2020年10月度定例会

政策研10月度定例会を下記の通り開催致しますので、ご案内致します。新型コロナウィルスの感染が継続している状況を踏まえ、今回もオンラインにより開催致します。

<2020年10月度定例会詳細>

■定例会

【日 時】 2020年10月25日(日) 14:30-16:30

【場 所】 ZOOMによるオンライン開催(接続先は、参加予定の方に別途ご連絡)

【テーマ】 「無料でできる!技術動向調査 ~特許から探る中小企業の技術売り込み戦略~」

【講 師】 知財情報コンサルタント 野崎 篤志先生、 小野 貴久会員

【内 容】 ものづくり大国日本を支える中小企業およびスタートアップ・ベンチャー企業にとっては”技術”が最重要の経営資源です。
診断士として経営助言をする場合、顧客の持つ”技術”がどのようなものか把握し、その活用先について顧客を超えた卓見性を示すことができれば信頼されること間違いなしです。
しかし、専門家でない診断士が”技術”を理解することは難しいです。そこで本企画では、誰でも無料で活用できる「特許情報を使い、エクセルで、技術動向を調査する方法」をお伝えします。

当日は、最初に小野会員より、
(0) とある中小企業の新製品開発企画(架空事例紹介)
(1) 知的財産って何?どんな役に立つの?(基本のおさらい)
(2) 中小企業が大企業と協業する際の、診断士の助言ポイントとは?
(3) 協業がポイント「戦略的基盤技術高度化支援事業」の紹介
(4) 協業先を見つけるにはどうしたらいいの?(野崎先生へのつなぎ)

以上を30分程度ご紹介頂いた後、知財情報コンサルタントの野崎篤志先生(外部講師)に、特許調査の概要の説明と実演を行っていただきます(1時間10分程度)。

知的財産、特許調査、というと”難しい”、”関係ない”と敬遠されてしまうかもしれませんが、診断士の皆さんが興味を持てる”設定”と”関連情報”を盛り込み、さらに外注したら100万はかかる特許調査が無料でできるノウハウを惜しげもなく公開いただきます。是非、ご参加いただけますようお願いいたします!

■懇親会
 今回は開催致しません。

■新規入会希望者の見学および入会手続き
新規入会希望者の見学および入会手続きを受け付けております。政策研に興味のある方がいらっしゃいましたら、下記問い合わせまでご連絡ください。
※定例会の見学参加費は無料です。

サポーターML:sp-seisakuken2020@googlegroups.com

活動報告:2020年9月度定例会

9月度定例会は岩本会員の企画として「事業の再生と承継~「特定調停」 「事業再建ADR」~」というテーマで弁護士の堂野達之講師にご講義いただきました。
堂野講師は「日本弁護士連合会 中小企業法律支援センター事務局次長」・「企業再建・承継コンサルタント協同組合 企業再建ADR法律顧問」として活躍されていらっしゃいます。
今回の定例会も新型コロナウイルスの影響でZOOMでの開催となりましたが、多くの会員が参加し盛況となりました。

近年、中小企業では経営者(オーナー社長)の高齢化や経営環境の変化により、後継者への承継や事業の譲渡が問題になっています。
会社には資産超過の会社と債務超過の会社が存在します。その中でも債務超過の会社においては、事業譲渡で承継をすることになります。
今回の定例会では、債務超過に陥っている企業が、事業の再生と承継を確実に進めるために、金融機関に対してどう働きかけを行っていくべきかについて紹介いただきました。

事業承継の類型
事業承継の類型は、狭義では「親族内承継」・「企業内承継」があり、広義では「第三者承継(M&A)」が含まれます。
しかし、後継者や事業の譲渡先が見つからない時は「廃業」になるということでした。

2020_09_1

事業の承継と再生
会社には資産超過の会社と、債務の完済が困難な債務超過の会社があります。
債務超過に陥っている中小企業の承継に際しては、事業を譲渡するか破産・特別清算をするか選ぶ必要があります。
コロナ禍前では、貸付条件変更(リスケジュール)を行っている事業者が全国で30~40万社あると推測されるとのことです。
現在はコロナの影響でリスケジュールの申請が通りやすい状況が続いていますが、今後は融資打ち切りの選別が始まる可能性があるということでした。
そのため、コロナ禍以降の経営においては、事業の再生と承継を考える経営者が増えていく傾向にあるということです。

経営が苦しい会社は「赤字体質である」・「負債が過大である」という問題をかかえています。
負債には経営者個人の連帯保証債務が発生するため、後継者候補が連帯保証を理由に承継を拒否するケースが多いそうです。
2020_09_2

事業の再生のためには、「金融機関に対する返済を見直すこと」と「事業の収益力を回復すること」が必要です。
本業の収益力で負債を完済することが理想ではありますが、負債が過大な場合の選択肢として「債務免除」があります。
2020_09_3

会社が再生モードに入ったらリスケジュールと経営改善により経営状況を抜本的に良くします。
債務完済の目処が経てば、金融機関との合意により長期の分割返済を行います。
債務完済が困難だとわかったら、債務免除を選択することになります。

経営改善
コロナ禍の資金繰り対策における3つのポイントを説明していただきました。
1, 資金面での現状を把握する
2, 支出(キャッシュアウト)を抑える
3, 入金(キャッシュイン)を増やす

対金融機関の具体的な対応策1
債務免除をしない場合の金融機関への対策方法として、リスケジュールがあります。
元本の返済猶予をもらい、その間に経営体質を改善するのが基本です。

注意点として、リスケジュールを受けると新規融資を受けられなくなります(コロナ対応の融資は別です)。
一方でハードル自体は低いため、現在では申請をすればほぼ応じてもらえるとのことです。

リスケジュールの結果、経営体質が改善できたら長期の分割返済を行います。
目処としては10~15年間で債務を完済します。

対金融機関の具体的な対応策2 債務の一部免除
次に債務免除についてです。
利益は出せるが、負債が過大で事業承継の障害になるときなどは債務免除を検討するべきです。
これは全ての金融機関の同意が必要になります。

債務免除について特定調停と企業再建ADRについて説明いただきました。
「特定調停」
裁判所の下で調停委員が間に入って借主と貸主の協議を進め、企業再生を支援する制度
2020_09_4

「企業再建ADR」
裁判外で中立公正な手続実施者が手続きを主宰する。
2020_09_5

まとめ
今回の定例会では、企業の再生と承継は車の両輪であり、両方を確実に実施する意味についてお話しいただきました。
再生においては、事業の収益力を向上することがもっとも大切。しかし金融機関への債務が過大な負担になっている場合にはリスケジュールなどの手段で負担を減らし、本業の収益力を回復することに力を注ぐことで経営を安定させることが大切だということを説明いただきました。

以上

開催案内:2020年11月度定例会

政策研11月度定例会を下記の通り開催致しますので、ご案内致します。新型コロナウィルスの感染が継続している状況を踏まえ、今回もオンラインにより開催致します。

<2020年11月度定例会詳細>

■定例会

【日 時】 2020年11月17日(火) 19:00-21:00(18:50開場)

【場 所】 ZOOMによるオンライン開催(接続先は、参加予定の方に別途ご連絡します)

【テーマ】 『累計申込者数800名超 ずるいデザイン講座』

【講 師】 赤田彩乃会員

【内 容】 学校教育で、図工や美術の授業はあっても、それは「芸術」に寄っており、「デザイン」を学ぶ機会は、その道に進まない限りほぼありません。

診断士のアウトプットは基本的には「書面」です。

もちろん中身が最重要ですが、実際にはクライアントは中身を理解する前に、まず「見た目」で、アウトプットに対し好印象・悪印象を持ちます。

今回は、デザイナーではない赤田会員より、前職で学んだノウハウをもとに、明日から使える「ずるいデザイン」を伝授頂きます。

 

■懇親会

終了後にオンライン懇親会の開催を検討しています。開催方法は参加予定の方に別途ご連絡します。

 

■新規入会希望者の見学および入会手続き

新規入会希望者の見学および入会手続きを受け付けております。政策研に興味のある方がいらっしゃいましたら、下記問い合わせまでご連絡ください。
※定例会の見学参加費は無料です。

サポーターML:sp-seisakuken2020@googlegroups.com

活動報告:2020年10月度定例会

10月度定例会は、「無料でできる!技術動向調査 ~特許から探る中小企業の技術売り込み戦略~」というテーマで、小野 貴久会員、および、知財情報コンサルタントの野崎 篤志講師にご講演いただきました。今回の定例会も新型コロナウイルスの影響でZOOMでの開催となりましたが、多くの会員が参加し盛況となりました。

野崎講師は、株式会社イーパテント代表取締役社長で、知財業界では著名な方であり、本の執筆やYouTube配信を通じて、特許の検索・調査および特許分析等のノウハウを発信されております。

今回の講演では、特許情報を活用して、顧客がもつ技術を把握し、その技術はどんな用途に活用できるか、そして顧客がどのような会社と協業できるか等を調査する方法を教えていただきました。無料で活用できる有用な手法をライブで披露して頂き、非常に有意義な講演でした。

■はじめに

まずは、小野会員より、技術動向調査の題材となる架空事例の紹介(余裕資金がないが、画期的な技術をもっており、新商品開発・受託先開拓を実現し下請け体質脱却を目指したい会社)がありました。

20201025_01

そして、

  • 戦略的基盤技術高度化支援事業
  • 知的財産の基本知識
  • 大企業との協業リスク
  • 契約関連(秘密保持契約・共同研究契約等)

等の説明をいただきました。その中で、具体的な技術・ノウハウの開示やトライアル等が行われる場合には、秘密保持契約だけではなく、状況に応じた共同開発契約書、開発委託契約書、製造委託契約書等の締結が重要なこと、また、各契約書を締結する場合の注意点の説明もいただきました。以下のような有用な情報の紹介もありました。

  • 中小企業経営者のための知的財産マニュアル(東京都知的財産総合センター)
  • 製造業者のノウハウ・知的財産権を対象とした優越的地位の濫用行為等に関する実態調査報告書
  • 知的財産取引検討会(第4回)配布資料

後半は、野崎先生による「この技術はどんな用途に使えるのか、協業企業はどうやって探したらよいのか」、特許情報の活用の説明です。

■特許の検索・分析の前に

まずは、様々な情報源のある中、特許情報から分かることについての説明をいただきました。特許情報は権利情報だけでなく、技術情報及び経営情報などの情報も把握できるとのことで、中小企業診断士として知っておいて損はないスキルかと思いました。

 20201025_02

また、特許の検索・分析の前に、分析テーマの技術情報や周辺動向(マーケット情報)を最初に収集することも有益とのことで、以下のようなサイトを紹介いただきました。

技術情報

 CiNii (https://ci.nii.ac.jp/

 J-Stage (https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/

 GoogleScholar (https://scholar.google.com/)

マーケット情報

 官公庁の資料の検索(google検索tips として、「site:go.jp」、「filetype:pdf」の利用)

 官公庁や様々な機関からの無料情報(Keizaireport.com [http://www3.keizaireport.com/])

そして、特許情報の検索・分析に入ります。まずは、技術をキーワードに、関連しそうな特許の集合(母集団)を作り、そこから統計解析をして、どのような会社が、どの分野で、どのような用途でその技術を活用しているかを調査していきます。このとき、母集団が重要で、よい母集団を作成できていないと、その後、よい分析をしてもよい結果が得られないことを説明いただきました。母集団の指標として、適合率(精度)と再現率があり、それらの指標について、アメリカ海軍の話や魚釣りの話等の例えでわかりやすく説明をいただきました。この母集団の話は、特許情報の分析だけでなく、アンケート調査など、様々な統計分析でもあてはまるため、押さえておくべき情報かと思います。

20201025_03

■J-PlatPatを利用した、特許情報の検索・分析について

いよいよ、実際に、J-PlatPat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)を利用した特許情報の検索・分析です。

ここからは、実際にライブで「抗菌」をキーワードに、検索・分析していきます。最初に

  • 検索キーワードから、キーワードに関連した同義語を調査
  • 関連のありそうな特許の技術分類(FI)を選定

を行い、キーワード(および同義語)と特許の技術分類(FI)から、母集団を作成します。さらに、出願日の日付指定で、期間(今回は直近10年間)で母集団を絞っていきます。ここからエクセルに出力するのですが、CSV出力は件数制限があるとのことで、ページを範囲指定コピーしてエクセルに貼り付け(貼り付けオプションで貼り付け先の書式に合わせる)するというtipsをいただきました。その後、出願年とFIの値でテーブルを作成し、ピボットテーブルを利用して分析していきました。

まずは、縦軸を会社名、横軸を出願年として、直近出願しているかのアクティビティの推移を表示させます。そのとき、条件付き書式のカラースケールを利用して、視覚的に見やすくしていきます。

 20201025_04

さらに、縦軸を会社名、横軸をFIの値として、どの会社がどの技術分野で特許出願しているかを把握していきます。ここから、特許出願件数の推移や、どの会社がアクティブに特許出願をしているか、どういった分野で活用しているか等を分析して、協業先となりそうな会社を絞っていきました。

絞られたデータから、適合しそうな会社を見つけ出すためには、分析テーマに関する技術情報やマーケット情報に対する知見も重要になってきます。野崎講師が次々と「抗菌」に関連した技術や会社をピックアップするライブ感は大変興味深いものでした。

■テキストマイニング

株式会社ユーザーローカルが運営しているサイト(https://textmining.userlocal.jp/)を紹介いただきました。ここでは、テキストマイニングの技術を使ってキーワード同士の関係性やキーワードの出現率の解析が行えます。今回は、先ほどの母集団での「発明の名称」のキーワードをすべて入力してテキストマイニングしてみました。また、

  • 名詞だけで抽出する 
    → みやすくなり、想定していないキーワードを抽出できる
  • 「2つの文章も比較」を利用し、前半5年 と 後半5年の「発明の名称」のキーワード比較する
    → 直近で出現しているキーワードの傾向がわかる

等のノウハウを説明いただきました。

 20201025_05

■質疑応答

「特許の件数だと、大企業の出願が目立ってしまうが、ベンチャーやスタートアップの企業を探し出すとしたらどうしたらよいか」という小野会員からの質問がありました。ベンチャーやスタートアップの企業の抽出は難しいので、

  1. 前半に説明いただいたマーケットレポート分析等を最初に行い、注目ベンチャーの情報をあらかじめ集めておく。
  2. ベンチャーやスタートアップの会社の特許数は直近の比率が高くなる傾向があるため、期間全体の特許数と直近数年間の特許数の比率をとる(例えば2018年以降の特許数 の比率が過去10年分の特許数と比較してどれくらいかの比率か等)。

等、普段から実践しているからこそ即答できるノウハウを提供いただきました。

■まとめ

今回の講演では、無料でできる技術動向調査・分析手法のノウハウを説明いただきました。今回の講演だけですぐに特許の技術動向調査・分析ができることは難しいかと思いますが、分析の手法、分析結果の可視化の考え方、結果から提言の導き方等を、サイト情報やエクセルの使い方だけでなく、考え方も交えて説明していただきましたので、特許調査・分析の感触はつかめたかと思います。

今回の講義で興味をもった方は、上記参考資料や野崎講師のYouTube動画を視聴することで、さらに深く知識を得ることができると思います。 説明していただいた様々なサイトやエクセルの使い方は、特許調査・分析だけでなく、各自の様々な業務に活用できる応用範囲の広い内容かと思います。短い時間でしたが、多くの刺激を得られたご講演となりました。

以上。

アーカイブ

カテゴリー

ページトップへ
Copyright © 2021 中小企業政策研究会 All Rights Reserved.