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2019年9月度定例会 活動報告

9月度定例会は、日景会員の企画として、「カードゲームで学ぶSDGs~中小企業の2030年を見通す~」と題し、昨今注目されつつあるSDGs(エスディージーズ)を取り上げ、カードゲーム「2030SDGs」を通じて体感的に基本を学びつつ、中小企業にもできるSDGs活用策、それを支える診断士の役割についてご説明いただきました。

■SDGsについて
まず、SDGsについて説明がありました。「持続可能な開発目標」(SDGs:エスディージーズ)は、2015年の国連サミットで提唱された国際目標であり、17のゴールと169のターゲットで構成されています。また、途上国のみならず先進国も取り組む目標として国連が推進しており、2017年のダボス会議でも取り上げられたり、経団連の企業行動憲章にもSDGsの考え方が盛り込まれたりするなど、広がりを見せています。

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■2030SDGsについて
次に、カードゲーム「2030SDGs」について説明いただきました。ビジネスの現場から小中学校にまで広がっているゲームで、これまでに10万人近い人が参加したとされています。

「2030SDGs」は、SDGsを体感し、2030年の世界がどうなっているのかをシミュレーションするゲームです。
今回の定例会では、参加者を12のチームに分け、各チームがそれぞれの目標(富、環境、社会など)の達成に向けて、ゲームを行いました。各チームの手元には、①お金、②時間、③プロジェクトのカードがあり、それらを用いたり、他チームと交渉・協力したりして目標の達成を目指します。
各チームの活動を踏まえた「世界の状況」もリアルタイムで把握できるようになっており、前半が終わった地点では、「経済」が特に進展しており、「環境」、「社会」がやや弱いという状況でした。後半には、チーム間の交渉や協力が進み、12チーム中11チームが目標を達成し、「世界の状況」のバランスも改善しました。

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日景会員によれば、過去の事例では、参加者の属性(ビジネスパーソン、環境団体など)により、達成される目標(経済、環境、社会)の度合いが異なり、それぞれの特徴が表れる傾向にあるとのことです。また、前半では、自チームのゴールに集中したり、損得を考えたりという参加者が多い一方、中間発表を挟むことで、後半では、バランスを意識し、他の人の達成状況、全体の状況を考慮する傾向にあるとのことでした。

■SDGsに関する取り組み
その後、SDGsに関連して、バングラディシュのグラミン銀行の取り組み(女性向けマイクロファイナンス)が紹介されました。また、私たちの周囲の食品・日用品に使用されているパーム油を生産するためにインドネシアの森林伐採が悪化していることなど悪循環が発生している状況も。そこで、環境・社会に配慮した原料を用いた製品に付されるものとして、例えば、パーム油、漁業資源、森林資源などの認証制度(認証マーク)の広がりが紹介されました。

参加者からは、「知ろうとする努力、勉強するところから始めることが大切だと感じた。」、「株主総会で外国人投資家(アジア)からSDGsに関する質問が出るなど、自社でも考えていく必要がある。」といったコメントが発表され、日景会員からは、年金積立金を運用するGPIFなどの機関投資家が投資先企業に対して環境・社会・ガバナンスに関する取り組み(ESG)を重視する動きも始まっており、欧州では特に企業活動に対して厳しい視点から投資活動を行っていることも紹介されました。

また、SDGsはグローバル企業、大企業の取り組みが目立っているが、中小企業で特徴的な環境にやさしい経営、従業員を大切にする経営、地域に根付いた経営などはSDGsにマッチしており、中小企業こそSDGsの担い手であるといったことが説明され、中小企業診断士として支援していく重要性が紹介されました。そうした中小企業の事例として、株式会社大川印刷(横浜市)、山陽製紙株式会社(大阪府泉南市)、株式会社太陽住建(横浜市)、ライフスタイルアクセント株式会社(熊本市)「ファクトリエ」などの取り組みが紹介されました。
大川印刷では、衛生面・環境面を意識した経営を重視しており、従業員主導での取り組みで地域や社会に必要とされる活動をしています。また、これらSDGsの活動を通して従業員が活き活きと自発的になったということです。日景会員からは、一番印象的だった同社の大川哲郎社長の言葉として、大川印刷におけるSDGsの活動は「苦しいからこそやっている」(従業員や地域に配慮しないとやっていけない)ことだとお話しいただきました。
山陽製紙では、ホームページ掲載用の写真撮影をきっかけに従業員が自発的に川の清掃活動を行うようになったことがきっかけに。やがて地域から感謝されるまでになり、社員が自発的にSDGs活動を行うなかで、環境に配慮した新製品・新サービスを開発し、環境省「環境人づくり大賞」を2年連続受賞しています。
太陽光パネル設置やリフォーム事業の太陽住建では、本業を通した社会貢献、地域貢献につながるビジネスモデルを目指して、障害者雇用、空き家事業などに取り組み、国連のハイレベル政治フォーラムにおいて社長スピーチが実現するまでに至っています。
ライフスタイルアクセント社の国産アパレルブランド「ファクトリエ」は、高度な技術、こだわりを持つ工場と連携し、工場~消費者間を直結して適正価格で製品を提供しています。SDGsに直接言及して活動しているわけではないですが、工場が立地する各地域の活性化にもつながっており、複数のSDGsゴールに貢献する結果につながっているとのことです。

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最後に、2030年を見通し、中小企業もSDGsを通じた成長を行うことが重要となっており、それを支えられるような中小企業診断士のあり方をお話しいただきました。
SDGsの取組はすぐに売上アップ等の効果が見えるものではなく、経営理念がしっかりしていないとうまくいきません。その点も正しく理解したうえで中小企業診断士にはSDGsを通じた支援に取り組んで欲しいと最後に伝えられました。

以上

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