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2016年8月度定例会の風景

2016年8月度の定例会についてご報告致します。
8月度の定例会は、日景聡会員の提案企画として、あまねキャリア工房代表の沢渡あまね様をお招きし、『残業をなくす業務プロセス改善術~ITIL活用した問題解決法~』というテーマで開催されました。
はじめに、「どんな生活に憧れますか」や「残業だらけ、休めない職場はどんな原因がありますか」のテーマでアイスブレークが行われ、その後、沢渡様の自己紹介へ。

政策研8月‗講師‗11

沢渡 あまね (さわたり あまね)様
1975年生まれ あまねキャリア工房代表。
購買や情シス、広報部門等を経て、あまねキャリア工房を設立。
「日本企業の働き方を良くしたい」との思いの下で、ITサービスの運用手法であるITILを活用した業務改善に取り組み、講演、執筆、コンサルティング、研修などを実施。

著書に
『新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!』
シーアンドアール研究所 (2015/4/17)
『新米主任 ITIL使ってチーム改善します!』
シーアンドアール研究所 (2015/11/26)
『職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方』
技術評論社 (2016/9/16)

など。また、昨年から、ITPro(日経BP社)においてITILに関する連載「“What’s ITIL?”~営業も開発も知っておきたい管理・改善手法」を執筆している。

沢渡様は、ITILを用いた業務改善手法について、ご自身で取り組まれた事例なども交え、ITの知識を前提とせずに分かりやすくお話しくださいました。
ITILの定義について、「ITの世界における運用・管理プロセスのグッドプラクティス集」であるが、一言で言えば、「価値ある業務を無理、無駄なく提供し続けるためのマネジメント」とのこと。
TOCやドラッカーが戦略を語るのに対し、ITILはそれを下支えする業務設計・管理、オペレーションを中心とした位置づけにあると、図を用いて説明されました。
ITILは具体的には
(1)サービスストラテジ(全体方針/戦略)
(2)サービスデザイン(業務設計)
(3)サービストランジション(運営準備)
(4)サービスオペレーション(運営)
(5)継続的サービス改善(測定/報告、改善)
の5つのアプローチを繰り返すことで業務の改善を図ること。
これらの個々のアプローチについて、管理するスキームが合計22個以上あります。
ただ、すべてのスキームを導入する必要はなく、現状に適するスキームを個別に「つまみぐい」することが可能とのことでした。
続いて、業務改善の4つのポイントについて。
業務改善の4つのポイント
(1)プロセスの定義
(2)サービスレベル管理
(3)インシデント・問題管理
(4)ナレッジ管理

(1)プロセスの定義は、業務を①目的・ゴール、②インプット、③アウトプット、④ステークホルダー、⑤測定可能、の5要素に分類することで、ITILを用いた業務改善を進めるうえで重要なポイントとなります。
今回の講義では、自身の業務を実際に分類してチーム内で共有するワークを行いました。
業務に問題が生じている場合は、前述の5つの要素のどれかに問題を起こす原因が潜んでおり、その原因に対して施策を検討することが業務改善に繋がるとのこと。お話を聞いて、このプロセス化の図を利用することで、業務で生じている問題点の要因をクライアントに分かりやすく説明できると感じ、とても有効な手順であると感じました。

政策研8月‗全体‗04

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、(3)インシデント・問題管理の説明では、インシデントと問題の違いをシンプルに分かりやすく説明してくださいました。
上司から言われた経験がある方も多い言葉「しのごの言わずに、とっとと何とかせい」。
沢渡様によると、この言葉は、実は下記の2つに分解できるそうです。
「しのごの」=問題管理
「とっとと何とかせい」=インシデント管理
「インシデント」などの横文字を多用すると、冷たい反応が生じがちですが、こうした言葉をつかえば、簡潔に分かりやすく伝えることができます。まさに目から鱗のお話でした。
質疑の時間も、中小企業に導入する際の留意点や、プロセスの粒度、ナレッジ管理の継続に対する取り組みなど、具体的な質問が相次ぎ、盛り上がりを見せました。会員の関心・興味を惹きつけた講義だったようです。
最後に、本講演の提案者である日景会員から、
・沢渡様のセミナーで、自身がサービスレベルを上げ過ぎていることに気づいた
⇒その日から働き方を変え、測定可能化(見える化)を意識して取り組んでいる
・本講演の目的として、診断士と接点がない沢渡様のような実績のある方を招くことで、我々診断士とともに新しいコラボが発生することを期待している
との言葉があり、8月の定例会を終了しました。
診断士としてIT化を進めて業務改善に取り組む機会は多くあると思います。実践的な講演であり、プロセスの定義などすぐにでも業務に応用できるお話をお聞きすることができ、非常に充実した会となりました。

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